ハリウッド初の『GODZILLA』:エメリッヒ版の興奮と反響

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1998年公開のエメリッヒ版『GODZILLA』は、ハリウッド初のゴジラ映画で賛否の声を呼びつつ興行成功。新デザインとストーリーで国際的なゴジラの可能性を拓いた。
「GODZILLA」予告 – YouTube

(出典 Youtube)

GODZILLAのサムネイル
ゴジラ > GODZILLAGODZILLA』(ゴジラ、原題: Godzilla)は、1998年に公開されたアメリカの特撮映画。トライスター ピクチャーズ提供。セントロポリス・エンターテインメント作品。フリード・フィルムズ、インデペンデント・ピクチャーズ共同作品。…
91キロバイト (11,949 語) – 2025年6月6日 (金) 21:49

1. 1998年公開のエメリッヒ版『GODZILLA』の制作背景


1998年に公開されたローランド・エメリッヒ監督による『GODZILLA』は、ハリウッドで初めて制作されたゴジラ映画として話題となりました。この映画の制作に至った背景には、トライスター ピクチャーズがゴジラのシリーズ化を目指したことが大きく関与しています。

当時、ハリウッドでゴジラ映画を実現するために、トライスターは東宝からゴジラの使用権を購入し、巨額の製作費を投じて映画を制作しました。監督に抜擢されたのは、後に『インデペンデンス・デイ』を手掛けたローランド・エメリッヒ氏です。彼は、爬虫類をベースとした新しいデザインのゴジラを創り出し、従来の日本版ゴジラとは異なるスリムで敏捷な怪獣を考案しました。ゴジラは、イグアナをモチーフにしたものとされています。

しかし、このアレンジはファンの間で賛否両論を呼び起こしました。伝統的なゴジラの姿とは大きく異なることから、日本とアメリカのゴジラファンの間で評価が分かれることとなり、一部のファンからは「ゴジラとは名ばかり」と揶揄されることもあったのです。

一方で、特撮やCGの技術を駆使して作り上げたこの作品は、興行的に成功を収め、世界で4億ドル以上の収益を上げる結果となりました。エメリッヒ監督自身も、この映画を成功と評価しており、日本からも新たなゴジラ映画制作の動きが生まれるきっかけともなりました。

このように、世間を驚かせたエメリッヒ版『GODZILLA』は、日本とアメリカの双方でゴジラの新しい形を提示した作品と言えるでしょう。

2. 映画公開時の世界的な反響


ゴジラのハリウッドデビュー作となる『GODZILLA』は、公開当初から世界中で大きな話題を集めました。
1998年に公開されると、アメリカでは3,310館、7,363スクリーンという歴史的な規模で公開され、オープニング興行収入は驚異的な7,400万ドルを記録しました。
これは当時の歴代記録でも2位という快挙でした。
また、日本では51億円の興行収入を達成し、360万人もの観客を動員したことから、日本国内でも大きな成功を収めています。
この成功の背景には、公開前から行われた大規模なマーケティングキャンペーンが大きく寄与しました。
アメリカでのキャッチコピー “Size Does Matter” は映画のスケールや迫力を強調し、多くの映画ファンの興味を引き付けました。
さらに、多くのメディアで取り上げられたことにより、ゴジラ映画としてだけでなく、ハリウッドのモンスターパニック映画の新たな方向性を示す作品としても話題になりました。
日本では、このハリウッド版ゴジラの公開を契機に、新たなゴジラ作品の制作に向けた動きが活発化しました。
基本的には評価の分かれる作品ではありましたが、その後も熱心なファンを増やし続け、ゴジラというキャラクターの持つ魅力を改めて世界に発信することとなりました。
これにより、次世代のクリエイターたちにインスピレーションを与え、新しい可能性を求め続けるゴジラ映画の発展へと繋がったのです。

3. ストーリーが描く新たなゴジラの姿


1998年に公開されたエメリッヒ版『GODZILLA』は、ハリウッドで初めて製作されたゴジラ映画でした。
この作品では、ゴジラというキャラクターがどのように描かれるかに注目が集まりました。
ストーリーは南太平洋での日本漁船襲撃事件から始まり、謎の巨大生物が現れることで物語が展開します。
生物学者のニック・タトプロスは、放射線影響を調査するためにチェルノブイリからパナマに派遣されます。
そこで彼は巨大な足跡を発見し、未知の生物の存在を確信します。
この新種生物は、フランスの核実験によって生まれたものだと仮説を立てます。
ストーリーは、巨大生物がニューヨークに上陸し、市民たちがパニックに陥るシーンへと続きます。
ニックは米軍と協力し、生物の正体、即ち「ゴジラ」を追跡、そして退治する作戦を実行します。
一方で、フィリップ・ローシェも秘密裏にこの作戦に参加しており、フランス軍の一員としてゴジラの駆除を試みます。
物語は、ニューヨーク各地での派手な追走やアクションシーンで、都市がゴジラに翻弄される様子が描かれます。
最終的には、マディソン・スクエア・ガーデンでの卵の大量孵化の危機がもたらされ、ニックたちは卵を爆破することで危機を回避しますが、最後に成獣であるゴジラが再び姿を現し、緊迫の結末を迎えます。

4. デザイン変更とファンの評価


1998年に公開されたエメリッヒ版『GODZILLA』は、日本のオリジナルと大きく異なるデザインで話題を呼びました。このゴジラは、伝統的な日本のゴジラから意識的に離れ、爬虫類としての特性を強調しています。監督のエメリッヒは、特にトカゲ(イグアナ)に着目し、スリムで敏捷な姿を描きました。これにより、CG技術を駆使したリアルな動きを実現したのです。ただ、この新しいデザインは、日本のゴジラを愛するファンにとっては受け入れがたいものでした。

日本でのゴジラは、都市を破壊する威圧的な存在として描かれることが多いのに対し、エメリッヒ版では人間に倒される標的としての側面が強調されています。こうした違いにより、『GODZILLA』はゴジラ映画のファンの間で賛否両論を巻き起こしました。特に日本のファンは、従来のイメージを崩す新デザインに戸惑いを隠せませんでした。アメリカでは「GINO(Godzilla In Name Only)」と揶揄する声もあり、テレビドラマでもこの改変を批判するようなシーンが見受けられました。

しかし、一方でこのエメリッヒ版『GODZILLA』を単なるモンスターパニック映画として評価する見方も存在します。エメリッヒ監督自身も、この作品を通じてゴジラをより国際的なキャラクターに成長させたいとの意図があったと語っています。彼の目標は興行的な成功を収め、シリーズを世界中の観客にアピールすることでした。

このように、デザイン変更を巡る評価は現在も分かれており、ファンや批評家の間で様々な議論が続いています。時代を超えたゴジラの魅力と、その進化について考えを巡らせるきっかけとなっているのです。

5.まとめ


エメリッヒ版『GODZILLA』は、そのリリースにより多くの話題を呼びました。当時、アメリカが製作した初のハリウッド版ゴジラとして、期待と好奇心を抱かれながらも、結果的には賛否両論を巻き起こしました。観客や批評家の間で評価が分かれましたが、興行的には成功し、初日から多くの劇場で上映され、多額の収益を上げました。特に、日本では50億円以上の興行成績を記録し、当時のゴジラ映画としては高い数字を示しました。

この作品における最大の特徴は、ゴジラのデザインの大胆なリニューアルでした。エメリッヒ監督は、従来のゴジラから脱却し、新たな視点でこのキャラクターを見直しました。これには、トカゲをベースにしたデザインが採用され、日本のオリジナルファンには「本当のゴジラではない」という声も少なくなかったです。しかし、ある種のモンスターパニック映画としての評価が高まり、従来とは異なった方向性を示す結果となりました。

一方で、本作がゴジラシリーズ全体に与えた影響も見逃せません。従来のゴジラ像を覆し、新たなゴジラ映画の形態として一歩を踏み出しました。特に、これが次のアメリカ製ゴジラ作品、2014年の『GODZILLA』への礎となったことは間違いありません。エメリッヒ版が示した方向性は、国際的なゴジラ映画の新たな可能性を開き、その後の作品に多大な影響を与えたのです。

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