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『007/死ぬのは奴らだ』(ダブルオーセブン しぬのはやつらだ、Live And Let Die)は、イアン・フレミングの同名小説を原作とした、ガイ・ハミルトン監督の1973年のスパイアクション映画。映画「ジェームズ・ボンド」シリーズの第8作目。ジェームズ・ボンド役を、3代目のロジャー・ムーアが最初に演じた作品である。…
15キロバイト (1,164 語) – 2025年11月24日 (月) 00:13
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1. 映画の概要
前作『007/ダイヤモンドは永遠に』ではショーン・コネリーが一度だけ復帰しましたが、その後継者として選ばれたのがロジャー・ムーアです。ムーアは、当初からシリーズに参加したかったのですが、多忙なため第1作目の『ドクター・ノオ』での出演を断っていました。10年後、ようやくジェームズ・ボンド役を手に入れたムーアは、コネリーよりも3歳年長でしたが、彼自身のスタイルでボンドをユーモラスで軽妙なキャラクターに昇華しました。
この映画のストーリーは、カリブ海のサン・モニークという架空の島国での出来事です。イギリス情報部員が次々と殺害される事件を追うボンドは、アメリカに飛び、フィリックス・ライターと共に、ハーレムのボスでありながら実は島国の首相であるDr.カナンガを調査します。彼は麻薬を配布し、アメリカに混乱をもたらそうと企んでいました。タロットカードを使ってカナンガに指示を与える謎の美女、ソリテアも重要な役割を果たし、ボンドは彼女から情報を引き出そうとします。
キャストには、ボンド役のロジャー・ムーアを筆頭に、Dr.カナンガ役のヤフェット・コットー、ソリテア役のジェーン・シーモアなど、多くの魅力的な俳優が名を連ねています。また、映画の主題歌はポール・マッカートニー&ウイングスが担当し、タイトル曲『Live And Let Die』は大ヒットを記録しました。全英シングルチャートで9位、アメリカのBillboard Hot 100で2位を獲得し、映画と共に世界中で多くの人々に愛されています。
興行成績も非常に好調で、1973年の世界興行成績で第3位、日本では外国映画としては第2位の配給収入を誇りました。このように、『007/死ぬのは奴らだ』は、スパイアクションの新たな息吹を与えた作品として、今も語り継がれています。
2. 新しいジェームズ・ボンドの誕生
この第8作目の映画でジェームズ・ボンド役として初めてスクリーンに登場したロジャー・ムーアは、既に俳優として確固たる地位を築いていました。
そのムーアがこの役を得た背景には、興味深い逸話が隠れています。
当初、シリーズの第1作である『ドクター・ノオ』のキャストに選ばれたものの、他のスケジュールとの競合で実現しなかった彼が、約10年後に再びオファーを受け、46歳で晴れてジェームズ・ボンドを演じることとなりました。
ショーン・コネリーより3歳年上ではありますが、その経験と知性を駆使し、新たなボンド像を作り上げました。
それまでショーン・コネリーが演じていたハードでシリアスなボンドとは対照的に、ムーアが作り出したボンドは、ユーモラスで軽妙なキャラクターへと変化しました。
観客を魅了するジョークのセンスと、アクションのキレが絶妙に組み合わさったことで、多くのファンに愛される存在となったのです。
彼の演技により、ボンドの新たな魅力が開花しました。
この役どころがもたらした新しい風は、単なるアクション映画にとどまらず、ユーモアや知的なエンターテイメント性をも兼ね備えた作品として映画史に名を刻みました。
3. ストーリーの展開と主要キャスト
この作品から、ジェームズ・ボンド役がロジャー・ムーアに引き継がれ、新たな息吹を吹き込まれました。
ストーリーの中心舞台は、カリブ海に浮かぶ架空の島国サン・モニーク。
この国でイギリス情報部の工作員が次々と謎の死を遂げたことから、ボンドの捜査が始まります。
ボンドは、長年の盟友フィリックス・ライターと共に、サン・モニークの首相Dr.カナンガを調査します。
彼の正体は、ハーレムのボスMr.ビッグでした。
彼は無料で麻薬を配布し、アメリカ市場での麻薬乱用を増加させた後、価格を吊り上げて利益を得ようという陰謀を企んでいます。
謎を解く鍵を握るのは、タロットカードで未来を占う美しい女性ソリテア。
ボンドは、彼女の情報を手掛かりに麻薬密売の計画を阻止しようとします。
4. 映画の楽曲と受賞歴
彼らが歌う「Live And Let Die」は、サウンドトラックとして映画を一層盛り上げるだけでなく、独立した楽曲としても高い評価を受けました。
英国内では全英シングルチャートで最高位9位を獲得し、アメリカではBillboard Hot 100で2位にランクインするなど、国際的な成功を収めています。
この曲の力強いメロディーとダイナミックな編曲は、映画のスパイアクションの緊張感や迫力を引き立て、観客に強い印象を残しました。
特に印象的なのは、映画と音楽の相乗効果です。
映画の公開と同時に主題歌も広く親しまれ、その結果として映画自体の知名度も上昇しました。
映画ファンにとっても、音楽ファンにとっても、この曲は『007シリーズ』の中で一際重要な位置を占めるようになりました。
また、この曲は映画音楽賞の主要な候補に挙げられ、アカデミー賞の最優秀オリジナルソング賞にもノミネートされました。
ウイングスの演奏は、政治的背景やスリリングなストーリーを持つ映画『死ぬのは奴らだ』において、ストーリーの緊迫感をより一層際立たせる役割を果たしました。
このように、ポール・マッカートニー & ウイングスによる主題歌は、映画と音楽の完璧な組み合わせとして長く記憶に残る作品となっています。
5. 興行成績と影響
特に世界興行成績で第3位という高い評価を得ることができました。
このことは、映画が観客にどれほどの影響力を持っていたかを示しています。
この成功の裏には、映画の革新的なストーリーと魅力的なキャラクターがあり、その両方が一体となって観る者を楽しませました。
日本においても、『007/死ぬのは奴らだ』は国民の心を掴み、外国映画としては1973年の配給収入で第2位にランクインしました。
この状況は、日本市場におけるジェームズ・ボンドシリーズの人気の高さと、本作がその中でも特に支持されたことを物語っています。
この映画の成功は、単なる数字以上の意味を持ちます。
当時のスパイアクション映画の枠を超え、新しい要素を導入することで、後続の作品にも多大な影響を与えました。
特に、新たなボンド役となったロジャー・ムーアの演技スタイルは、ボンド像を刷新し、後の映画制作におけるひとつの基準を作り上げました。
彼の軽妙なユーモアとスタイリッシュなアクションは、以降のシリーズ作品にも引き継がれ、ファンの期待を裏切らない形となりました。
こうした要素が結び付き、『007/死ぬのは奴らだ』は単なるスパイ映画という枠を超えた作品となり、長く愛されるクラシック映画として後世に名前を刻むことになりました。
6. まとめ
映画の魅力の一つに、スパイアクションだけでなく、ユーモアが織り交ぜられている点が挙げられます。特に、ロジャー・ムーアが巧みに繰り出すジョークや、アイコニックなシーンが多いことが特徴です。また、映画の舞台がエキゾチックなカリブ海であることも、観る者に非日常的な体験を提供しています。
さらに、映画の主題歌を担当したポール・マッカートニー & ウイングスは、音楽面でも作品の魅力を引き立てており、映画とともにヒットしました。この映画が与えた影響は、映画界だけでなく音楽界にも及んでいます。
『007/死ぬのは奴らだ』は、後の映画にも多大な影響を与えた革新的な作品です。ジェームズ・ボンドの新たな一面を描き出したことで、多くのファンを魅了し続けているのです。これからも映画ファンの心に残り続け、ボンドシリーズの中でも特筆すべき作品として語り継がれるでしょう。
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