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『007/美しき獲物たち』(ダブルオーセブン うつくしきえものたち、原題: A View to a Kill)は、ジョン・グレン監督による1985年公開のスパイアクション映画。「ジェームズ・ボンド」シリーズ第14作目。原作小説はイアン・フレミングの短編『バラと拳銃』(From a View to a…
30キロバイト (3,315 語) – 2025年6月14日 (土) 17:08
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1. 物語の背景とムーアの役割
この作品は、ロジャー・ムーアがジェームズ・ボンドを演じた最後の映画であり、彼の10年以上にわたるボンド役としての集大成となりました。
ムーアは、ユニークなユーモアとスタントアクションを融合させたスタイルで多くのファンを魅了しました。
この作品では、スタントアクションを駆使しつつ、シリアスな要素を再び取り入れ、観客に新たな刺激を提供しています。
物語は、アメリカ製の特殊なICチップをソ連から取り戻すボンドのミッションから始まります。
このチップは、核爆発にも耐えられるという特性を持ち、英国情報部はその製造元であるゾリン産業を調査するようボンドに命じます。
調査を進める中で、ボンドはゾリン産業の背後に広がる陰謀を暴きます。
主人公のライバルとなる社長マックス・ゾリンは、シリコンバレーを人工地震で壊滅させ市場を独占しようとする計画を練っており、ボンドはその計画を阻止するため奮闘します。
この映画は、製作中にも様々な困難に直面しました。
特に、パインウッド・スタジオでの火災は大きな障害でしたが、それを乗り越えて製作を続行し、結果として世界中で1億5240万ドルの興行収入をあげる大ヒットとなりました。
アメリカでも1985年の全米興行成績第10位にランクインし、多くの観客に受け入れられました。
この映画は、ムーアの最後のボンド作品として長く記憶に残る作品であり、多くのファンにとって特別なものです。
2. スリリングなアクションシーン
さらに、カーアクションもこの映画の魅力の一つです。激しいカーチェイスは、スピード感あふれる展開で視聴者をスクリーンに釘付けにします。また、空中スタントも見逃せません。飛行船から飛び降りたり、ゴールデンゲートブリッジ上でのダイナミックなアクションは、じっとして居られないほどの緊張感を提供します。
これらのスタントシーンは、俳優ロジャー・ムーアがジェームズ・ボンドとして最後に演じる作品としてのクライマックスを飾るのにふさわしい演出が施されています。監督ジョン・グレンの手腕によって、ムーアの持ち味であるユーモアとスリルが巧妙に融合され、観客を魅了するシーンの一つ一つが、映画全体をさらに引き立てています。この一連のスリル溢れるアクションシーンは、ボンド映画の真骨頂と言えるでしょう。
3. メインキャストとキャラクターの魅力
この映画では特にキャラクターが際立っており、その中でもマックス・ゾリンとメーデーの存在感は強烈です。
ゾリンは、クリストファー・ウォーケンが演じる非情で計算高い悪役で、異常発達した天才的な頭脳を持ちながらも、冷酷な一面を持ち合わせています。
彼の傍に控えるメーデーは、グレイス・ジョーンズが演じるアクション満載の女性キャラクターで、ゾリンに対する忠誠心が試される場面も見どころです。
また、ロジャー・ムーア自身が生み出すボンドのユーモアと機転は、この映画を一層楽しませてくれます。
ジェームズ・ボンドは常に余裕を見せながら、危機的状況においても機転を利かせ、コミカルさを忘れずにミッションをこなします。
こうしたムーア独自のボンドスタイルは、観客に愛され続け、第14作目にして集大成として示されました。
映画は1985年にジョン・グレン監督のもとで制作され、多くの要素が絡み合いながら、ムーアのボンドに対する有終の美が描かれています。
そして、この作品は一部のシリアスな局面とコミカルな要素を巧みにバランスさせながら、ファンの心に強く残るキャラクターたちが命を吹き込み、今なお語り継がれる名作となりました。
4. 興行成績と評価
特にアメリカでは、大きな話題を呼び起こし、5030万ドルという興行収入をあげ、全米第10位にランクインしました。この成功は、ただ単にシリーズの一作としてではなく、ムーアが長年培ってきたボンド像の集大成としての要素が多くのファンに受け入れられた結果でしょう。
海外においても評価は高く、1985年の映画の世界興行成績では第5位に位置しています。この評価は、当時の他の大作と比べても遜色のないものでした。ムーアがボンドを演じる最後の作品であり、ファンにとってもその特別な意義が浸透していたと言えるでしょう。
さらに、日本においてもその人気は高く、1985年度の外国映画の配給収入では第5位、全体の配給収入でも第9位に輝きました。これらの実績からも、『007/美しき獲物たち』がムーアのキャリアにおいて、そして007シリーズにおいてどれほど重要な作品であるかがうかがえます。
5. 最後に
彼が初めてボンドを演じたのは1973年の『死ぬのは奴らだ』からで、以降1985年までの約12年間、ムーアは新たな魅力とスタイルをボンドに持ち込みました。
このシリーズでムーアの特徴だったユーモラスな側面と、アクションのエッセンスが融合し、観客を魅了しました。
特に『美しき獲物たち』では、ムーア独自のユーモラスなタッチに加え、スリリングなアクションシーンが満載です。
この作品は、ボンドというキャラクターの魅力を次世代に引き継ぐための橋渡し的な役割を果たしています。
新たなアクションシーンが取り入れられ、現代的な技術やストーリー展開がさらに進化しました。
それにより、次世代のボンドが目指すべき方向性を提示しています。
ムーアのボンド像は、彼の在任中に大きく変化し、それがファンに支持され続けた理由でもあります。
しかし、ここに辿り着くまでには数々のチャレンジがありました。
ムーアはシリーズ続投を考慮しつつ、常に新しい試みを取り入れ、観客を飽きさせないための工夫を凝らしました。
長年にわたりシリーズを支えたムーアの功績は計り知れず、彼の遺産は次世代のボンドに大きな影響を与えています。
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