映画『悪魔の手毬唄』:原作との違いとその魅力

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※記事内の画像は全てイメージです。実際の製品・写真とは異なります。

映画『悪魔の手毬唄』は1977年公開の推理映画で、横溝正史の小説を原作とする。監督は市川崑が務め、冬の設定で独特の雰囲気を持つ作品です。
 

1. 映画の概要

映画『悪魔の手毬唄』は、1977年に公開された日本映画であり、横溝正史による同名の長編推理小説を映画化した作品です。市川崑監督がメガホンを取り、石坂浩二さんが主演を務め、東宝映画によって製作されました。本作は、金田一耕助シリーズの第2作目として知られ、興行的にも成功を収めました。1977年の邦画配給収入ランキングでは第10位にランクインし、7億5500万円の配給収入を記録しています。また、キネマ旬報ベストテンの第6位にも選ばれるなど、高い評価を受けました。

東宝は前作『犬神家の一族』のヒットを受け、急遽本作の続編制作を決定しました。前作とは異なり、東宝は自社製作にて映画化を目指し、再び市川崑監督に声をかけ続投させました。監督業を一度辞退しようとしていた市川ですが、妻である元脚本家の和田夏十さんの助言もあり、もう一度監督としての腕を振るうことになりました。市川監督は原作の雰囲気を変え、『グランド・ホテル』のような物語展開を目指し、シナリオづくりが進められました。

しかし、撮影スケジュールの都合で、原作通りの季節ではなく冬に設定を変更。山梨県でのロケ地撮影を行いましたが、撮影現場では昭和20年代の世界観を再現するために様々な工夫が凝らされました。

また、ストーリーにおいては、原作の時代設定より3年早い昭和27年を背景に、登場人物の年齢や一部人物設定に変更が加えられています。これにより、映画版『悪魔の手毬唄』はより映画としての魅力を引き出しています。

2. 製作背景

映画『悪魔の手毬唄』は、『犬神家の一族』の大ヒットを受けて企画された続編です。
東宝はこのシリーズのさらなる成功を狙い、自社製作による映画化を決定しました。

前作で監督を務めた市川崑監督も続投することになり、彼の妻で元脚本家の和田夏十さんの助言が大きく影響しました。
原作の選定は芸苑社の市川喜一さんが担当し、魅力的な題名が理由で『悪魔の手毬唄』に決定しました。
本作では前作とは異なる雰囲気を目指し、物語を絞ることで緊張感を高める構成が取られています。

また、撮影スケジュールの都合から、原作の季節とは異なり、映画では冬に設定が変更されました。
ロケ地は市川監督が過去に使った山梨県で、昭和20年代の雰囲気を再現するために細かい工夫が施されました。
砂利道や木製電柱を再現するために、現場ではアスファルト道路に砂をまき、コンクリート電柱に杉皮を巻くなどの工夫が取り入れられたのです。
このような細部にまでこだわることで、原作ファンにも納得のいく映像作品を提供することができました。

3. 映画と原作の違い

『悪魔の手毬唄』は、横溝正史の同名小説を映画化した作品であり、そのストーリーは基本的に原作に沿っていますが、いくつかの点で映画ならではの変更が施されています。
映画公開当時の1977年は、原作が描かれた昭和27年を舞台にし、登場人物の名前や年齢、設定が一部変更されています。
この変更は、映画のスムーズな展開や現代の観客に向けた演出意図も込められているのです。

映画では原作の物語の雰囲気を尊重しつつ、冒頭の状況説明を速める工夫が施され、短い上映時間で原作のエッセンスを忠実に伝える努力が見られます。
一方で、千惠子が映画では千恵子に、大空ゆかりの芸名の一部が変更されているなど、細かい設定変更が加わっています。
犬神家の一族の成功を機に急遽製作されたこの作品は、前作とは違う趣を持たせつつも、市川崑監督の手腕によって新たな魅力を引き出されています。

大きな変更の一例として、ストーリーのクライマックスに関係する里子殺害後の展開が挙げられます。
この部分は原作から大幅に変更されており、映画ならではの緊張感が演出されています。
また、人間関係の描写においても、兄弟関係や結婚後の苗字の違いなど多岐にわたる修正が加えられ、観客に新鮮な驚きを与える工夫が随所に見られます。
登場人物の背景に関する細かい設定や、物語の終結後に続くキャラクターの未来像に触れることで、観る者の想像力を一層掻き立てる出来栄えとなっているのです。

4. 映像的要素

映画『悪魔の手毬唄』は、季節の設定を大胆に変更し、大きな話題となりました。
本作では、原作の夏のシーンを冬に置き換えることで、独特の雰囲気を出すことに成功しています。
この変更により、物語の進行において重要な舞台背景が、冬の寒さと雪景色に染まることになりました。
その結果、昭和20年代を舞台にした映画の雰囲気がより強調され、見応えのある映像が完成しました。

また、昭和20年代の風景を再現するために、現代の風景を変える工夫も随所に見られました。
例えば、撮影が行われた地方都市では、現代化が進んだ道路を昭和の砂利道に見立てるため、アスファルト道路に砂を撒き、コンクリート電柱には杉皮を巻きつけて木製電柱のように見せる工夫が施されました。
これにより、観客は当時の時代背景に一層没入することができたのです。

そして、ラストシーンでは、特筆すべき映像的要素として蒸気機関車が登場します。
国鉄C11形蒸気機関車227号機が使用され、この列車が金田一耕助を乗せて走るシーンは、映画のクライマックスにふさわしい迫力ある映像となっています。
当時としては希少だった蒸気機関車の映像は、観客にとっても印象的なシーンとして記憶に残ることとなりました。
この227号機は、復活SL第1号として動態保存されています。

このように、本作では映像的要素に対する細かな工夫と大胆な演出により、観客を昭和の時代へと引き込むことに成功しています。
これが作品の魅力の一つであることは間違いありません。

5. まとめ

映画『悪魔の手毬唄』は、横溝正史の同名長編推理小説を映画化した作品です。
市川崑監督が手掛け、石坂浩二さんが主演する金田一耕助シリーズの第2作として、東宝が製作・配給しました。

この映画は、キネマ旬報ベストテンで第6位にランクインし、1977年の邦画配給収入ランキングでも第10位に位置するなど、興行的な成功を収めました。
原作と異なる点として、映画の設定が夏ではなく冬に変更された理由には、撮影スケジュールの都合が大きく影響しています。
監督の市川崑監督は、昭和20年代の雰囲気を再現するため、ロケ地を山梨県に定め、現代の発展した地方都市に対抗し、土地の砂利道や木製電柱を工夫しました。

映画のストーリー展開は原作に忠実でありながらも、里子の殺害後の展開が大きく改変されています。
人物名や属性には多くの変更が加えられ、被害者たちの年齢が若干若く設定されている点が特徴的です。

また、ラストシーンに登場する国鉄C11形蒸気機関車227号機の存在は象徴的で、1976年に大井川鉄道で動態保存が始まった重要なロケーションとして映画に彩りを加えています。

原作と映画の両方を楽しむための視点として、これらの違いを探求することは、作品制作者の意図を理解する素晴らしい手がかりです。
それぞれの媒体が持つ独自の魅力を味わいながら、深い作品理解に繋げましょう。

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