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2005年に製作されたアメリカ映画『バタリアン4』(原題:Return of the Living Dead: Necropolis)は、「バタリアン(Return of the Living Dead)」シリーズの第4弾として、前作『バタリアン リターンズ』から12年ぶりに製作された作品です。監督は『スパイダーパニック!』で知られるエロリー・エルカイェム。舞台はルーマニアおよびウクライナで、チェルノブイリ原子力発電所跡地が物語の重要な場面として登場します。主演は映画『赤い航路』などで知られる実力派俳優ピーター・コヨーテ。アメリカではケーブルテレビのSciFiチャンネルでのテレビ映画として放送された本作は、日本では2006年7月8日に劇場公開されました。本記事では作品概要・あらすじ・キャスト・制作背景・評価まで、公的情報をもとに詳しく解説いたします。
作品概要:基本情報
『バタリアン4』(原題:Return of the Living Dead: Necropolis)は、2005年に製作されたアメリカのホラー映画です。アメリカでは「SciFiチャンネル(現:Syfy)」向けのテレビ映画として製作・放送されました。シリーズ第4弾にあたる本作は、当初「Return of the Living Dead 4: Necropolis」というタイトルで宣伝されていましたが、実際の公開時にはタイトルから「4」が取り除かれ「Return of the Living Dead: Necropolis」となっています。
監督はエロリー・エルカイェム、脚本はウィリアム・バトラーとアーロン・ストロンゴーニ、製作はアナトリー・フラディスとスティーヴ・スカルドゥッツィオ、撮影はガブリエル・コズース、編集はジェームズ・コブレンツ、音楽はロバート・ダンカンが担当しています。製作会社はデンホルム・トレーディング・インク、オーロラ・エンターテインメント、キャステル・フィルム・ルーマニアです。アメリカではSciFiチャンネルで2005年10月15日に放送され、R指定版のDVDは2006年4月18日に発売されました。日本ではアートポート=ギャガ配給のもと、2006年7月8日に劇場公開されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 邦題 | バタリアン4 |
| 原題 | Return of the Living Dead: Necropolis |
| 製作年 | 2005年 |
| 製作国 | アメリカ |
| 監督 | エロリー・エルカイェム |
| 脚本 | ウィリアム・バトラー、アーロン・ストロンゴーニ |
| 音楽 | ロバート・ダンカン |
| 撮影 | ガブリエル・コズース |
| 製作費 | 約600万ドル |
| 上映時間 | 89〜90分 |
| 米国放送 | 2005年10月15日(SciFiチャンネル) |
| 米国DVD | 2006年4月18日 |
| 日本公開 | 2006年7月8日 |
| 日本配給 | アートポート=ギャガ |
シリーズの流れと本作の位置づけ
「バタリアン」シリーズは、1985年の第1作から1993年の『バタリアン リターンズ』まで3作が製作された後、約12年のブランクを経て本作で再始動しました。
本作の物語は「バタリアン リターンズ」の10年後という設定となっており、直接的な続きではないものの同一の世界観(トライオキシン5という化学兵器がゾンビを生み出す)を継承しています。
また本作は続編の『バタリアン5』(Return of the Living Dead: Rave to the Grave)と同時期・同じロケ地(ルーマニア・ウクライナ)で撮影が行われており、2本が連続して製作されました。両作は同日(2005年10月15日)にSciFiチャンネルで放送されています。本作から引き続きピーター・コヨーテ、エイミー・リン・チャドウィック、コリー・ハードリクト、ジョン・キーフが『バタリアン5』にも出演しています。
なお、前作で頭を撃てば死ぬという設定に変更されていたゾンビが、本作でも同様に頭部への攻撃で倒せるという設定が続いており、「不死のゾンビ」という初代の設定からは離れたままとなっています。この点はシリーズファンの間で批判的に語られることが多い部分です。
あらすじ:チェルノブイリで入手されたトライオキシン5の脅威
軍が極秘に開発した化学兵器トライオキシン5は、幾度もゾンビ発生事故を起こしたために廃棄処分とされていました。しかし、その最後の6本のキャニスターがウクライナのチェルノブイリ原子力発電所の廃炉内に保管されていることを知った巨大ハイテク企業ハイブラテック社のサイエンティスト、チャールズ・ギャリソン(ピーター・コヨーテ)は、ロシア人ブローカーを通じてそれを密かに入手しようとします。
一方、チャールズの甥であるジュリアン(ジョン・キーフ)とジェイク(アレクサンドル・ジョアナ)は、仲間の高校生とともに日々を送っていました。ジュリアンの親友ジーク(エルヴィン・ダンデル)がバイク事故で重傷を負い、ハイブラテック社の研究施設に運ばれたまま音信不通になってしまいます。
ジークの安否を心配したジュリアンたちは、ハイブラテック社の巨大な研究施設に仲間と潜入します。しかしそこはトライオキシン5を使って死体を蘇生させるゾンビの実験場でした。ある出来事をきっかけに独房のゾンビたちが施設の外へと解き放たれ、ジュリアンたちは大量のゾンビに追い回されることになります。重武装された新型ゾンビ「デスロン」も登場し、ジュリアンたちの脱出と生存をかけた戦いが始まります。
キャスト紹介
ピーター・コヨーテ(チャールズ・ギャリソン役)
本作のクレジット上の主演で、ハイブラテック社の科学者チャールズを演じています。『赤い航路』(1992年)や数多くのドラマへの出演で知られる実力派俳優で、シリーズファンへの目玉として起用されています。本作および続編の『バタリアン5』にも出演しています。
ジョン・キーフ(ジュリアン・ギャリソン役)
ジュリアンを演じる実質的な主人公。チャールズの甥にあたります。
エイミー・リン・チャドウィック(ベッキー・カールトン役)
ジュリアンの仲間のベッキーを演じています。
コリー・ハードリクト(コーディー役)
ジュリアンたちの仲間のひとりを演じています。後にドラマ「ダーリン」などへの出演で知られるようになる俳優です。
ジャナ・クレイマー(ケイティー役)
ジュリアンたちの仲間のケイティーを演じています。後に音楽活動でも知られるようになるカントリー歌手・女優で、本作が映画デビュー作にあたります。なお続編の『バタリアン5』では急病により降板しています。
エルヴィン・ダンデル(ジーク・ボーデン役)
ジュリアンの親友で、事故後にハイブラテック社に連行されてしまう重要な人物を演じています。
このほか、アレクサンドル・ジョアナ、トーマ・ダニラ、ダイアナ・マンティーヌらルーマニア人俳優が多数出演しており、撮影地であるルーマニアのキャストが大半を占めています。
制作背景:チェルノブイリロケとルーマニア撮影
本作の最大の特徴は、実際のチェルノブイリ原子力発電所跡地を撮影地として使用していると主張している点です。エンドクレジットにチェルノブイリでの撮影が記されており、日本公開時のプレスにおいても「映画史上初めてチェルノブイリでのロケ撮影が行われた」という触れ込みがなされていました。
一方で、Moria Reviewsをはじめとする複数の映画評論サイトは、チェルノブイリ4号炉の周囲には現在も20マイルの排除ゾーンが設定されており、不法侵入は法律で罰せられる点や、4号炉そのものはコンクリートの石棺で覆われているため内部での撮影は物理的に不可能である点などを指摘しており、実際の撮影範囲については諸説あります。いずれにせよ、主要な撮影はルーマニアおよびウクライナで行われています。
監督のエロリー・エルカイェムは、複数のソースにおいて金銭的な理由から本作の監督業を引き受けたとされており、脚本への関与が限定的だったことが示唆されています。
本作と続編の『バタリアン5』は同じキャスト・スタッフ・ロケ地を使って連続撮影で製作されており、この2本がセットで企画・製作された経緯が本作のクオリティにも影響を与えたと見られています。
評価:シリーズの中で最も厳しい評価を受けた作品
本作は批評・ファン両面において「バタリアン」シリーズ中で最も厳しい評価を受けている作品のひとつです。ホラー映画専門誌の「Rue Morgue」誌は2006年のレビューで本作を「網膜を傷つける最悪の映画的暴挙」と評しています。
主な批判点として、前3作が持っていたシリーズの特色である「頭部への攻撃が効かない不死のゾンビ」という設定が本作でも継承されておらず、脚本の水準の低さ、テレビ映画としての低い映像クオリティ、主要キャストの演技などが挙げられています。
一方で、初代「バタリアン」へのオマージュとして、ゾンビが電話を持ち上げて「セキュリティをもっと送れ!(Send more security guards!)」と叫ぶシーンが登場しており、これは1985年の初代でゾンビが警察への無線で「警官をもっと送れ!(Send more cops!)」と叫んだシーンへの直接的なオマージュとなっています。こうした小ネタはシリーズファンにとっての楽しみとなっています。
まとめ:12年ぶりのシリーズ復活は厳しい評価も、ファンなら一見の価値あり
『バタリアン4』は、12年のブランクを経てシリーズが復活した記念すべき一本である一方、テレビ映画としての低予算と脚本の弱さから、批評・ファン共に厳しい評価を受けることとなった作品です。ピーター・コヨーテという実力派俳優の起用やチェルノブイリというロケ設定など、話題性のある要素を持ちながらも、初代「バタリアン」が確立した不死のゾンビという設定を持ち込めなかった点は、シリーズファンにとっての最大の不満となっています。
それでも、初代へのオマージュシーンやシリーズの世界観の継承という意味では、「バタリアン」シリーズを全制覇したいファンにとっては見ておきたい一本です。現在はDVDのほか、各種動画配信サービスでも鑑賞可能です。
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