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1992年に公開されたアメリカ映画『刑事ジョー ママにお手あげ』(原題:Stop! or My Mom Will Shoot)は、シルヴェスター・スタローンが主演した異色のアクション・コメディ映画です。テレビドラマ「ゴールデン・ガールズ」で絶大な人気を誇るエステル・ゲティが超過保護な母親役を演じ、鬼刑事が実母に振り回される騒動を描いたドタバタ劇となっています。監督は後に『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』を手がけるロジャー・スポティスウッド、音楽は『プレデター2』のアラン・シルヴェストリ、製作は『キンダガートン・コップ』のアイヴァン・ライトマンが担当しています。スタローン本人が後年「出演を後悔している」と公言した本作には、ライバルのシュワルツェネッガーによる巧みな計略エピソードも絡んでおり、スタローンのフィルモグラフィーを語る上で外すことのできない一作です。本記事では作品概要・あらすじ・キャスト・制作背景・興行成績まで、公的情報をもとに詳しく解説いたします。
作品概要:基本情報
『刑事ジョー ママにお手あげ』(原題:Stop! or My Mom Will Shoot)は、1992年に製作・公開されたアメリカのアクション・コメディ映画です。
監督はロジャー・スポティスウッド、製作はアイヴァン・ライトマン、ジョー・メジャック、マイケル・C・グロス、脚本はブレイク・スナイダー、ウィリアム・オズボーン、ウィリアム・デイヴィスが担当。撮影はフランク・ティディ、音楽はアラン・シルヴェストリが手がけました。配給は北米・日本ともにユニバーサル=UIPで、北米公開は1992年2月21日、日本公開は同年5月30日です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原題 | Stop! or My Mom Will Shoot |
| 製作年 | 1992年 |
| 製作国 | アメリカ |
| 監督 | ロジャー・スポティスウッド |
| 脚本 | ブレイク・スナイダー、ウィリアム・オズボーン、ウィリアム・デイヴィス |
| 音楽 | アラン・シルヴェストリ |
| 撮影 | フランク・ティディ |
| 製作 | アイヴァン・ライトマン、ジョー・メジャック、マイケル・C・グロス |
| 上映時間 | 87分 |
| 配給 | ユニバーサル=UIP |
| 北米公開 | 1992年2月21日 |
| 日本公開 | 1992年5月30日 |
| 北米初登場順位 | 2位 |
| 北米興行収入 | 約2,841万ドル |
| 全世界興行収入 | 約7,061万ドル |
あらすじ:鬼刑事を悩ます超過保護なママの大騒動
ロサンゼルス市警の巡査部長・刑事ジョー・ボモウスキー(シルヴェスター・スタローン)は、泣く子も黙る凄腕のワイルド刑事。上司の警部補グウェン(ジョベス・ウィリアムズ)を恋人に持ちながらも、気ままな独身生活を送っていました。
そんなジョーのもとに、ニュージャージー州ニューアークから母親のツトル(エステル・ゲティ)が突然やってきます。ツトルはジョーを今も幼い子供のように扱い、部屋の掃除から洗濯まで世話を焼きたがります。困ったことに、ジョーの大切な拳銃まで洗濯機で洗って台無しにしてしまいました。
息子の機嫌を直そうと、ツトルは自分で銃を買いに行きます。しかし訪れたのは下町の非合法な銃の密売店でした。そこでツトルは発砲事件に遭遇し、目撃者としてジョーの勤める警察署に出入りするようになります。ツトルの正確な記憶と証言により、事件の黒幕が銃の密輸商人パーネル(ロジャー・リース)であることが判明。ジョーは捜査を開始しますが、ツトルはいつでも息子に付きまとってきます。
ツトルのお節介なお説教が思わぬ効果を生んでジョーとグウェンの仲が前進する一方、パーネルは南米への逃亡を図ります。空港での最終対決では、人質にとられたツトルが飛行機ごと連れ去られそうになる大ピンチが訪れます。ジョーがトレーラーで飛行機に体当たりしてツトルを救出するも、今度は自分がパーネルに銃を突きつけられる絶体絶命の状況に。そこへツトルが隠し持っていた銃が火を吹き、パーネルは逮捕されます。
キャスト紹介
シルヴェスター・スタローン(ジョー・ボモウスキー役)
本作の主人公で、ロサンゼルス市警の凄腕刑事を演じています。コメディ要素を全面に出した役柄はスタローンにとって異色の挑戦であり、後年本人が出演を後悔していると公言した作品となりました。日本語吹替は玄田哲章さんが担当しています。
エステル・ゲティ(ツトル役)
本作の最大の魅力となっているジョーの母親役を演じています。テレビドラマ「ゴールデン・ガールズ」(1985〜1992年)のソフィア役で世界的に知られるコメディエンヌで、スタローンを圧倒するほどの存在感で画面を支配しています。本作の制作時点では「ゴールデン・ガールズ」が放映中であり、絶大な人気を誇っていた時期の出演です。
ジョベス・ウィリアムズ(グウェン・コーリー警部補役)
ジョーの上司であり恋人でもある女性警部補役を演じています。映画『ポルターガイスト』(1982年)への出演で知られる女優です。
ロジャー・リース(パーネル役)
本作の悪役で、銃の密輸を行う犯罪組織のボスを演じています。イギリス出身の舞台俳優・映画俳優で、舞台での活躍でも広く知られています。
ヴィング・レイムス(レイク刑事役)
後に映画『ミッション:インポッシブル』シリーズのルーサー・スティッケル役で世界的に知られるようになる俳優が、本作では脇役の刑事として出演しています。
制作背景:シュワルツェネッガーの計略でスタローンが出演を決意
本作の制作背景に、映画史上でも語り継がれる有名なエピソードがあります。
スタローンは本作に出演する際、脚本をろくに読まずに出演契約を結んだとされています。その理由として、ライバルのアーノルド・シュワルツェネッガーが本作に強い興味を持っているという噂が流れていたからです。「ライバルに先を越されてはならない」という対抗心からスタローンは急いで契約を結びましたが、これはシュワルツェネッガーの計略でした。シュワルツェネッガー本人の証言によれば、脚本のクオリティが低いことを知りながら、スタローンをおびき寄せるためにわざとプロデューサーに出演への興味を示していたというのです。
この計略は見事に成功し、スタローンは後にこの作品への出演を後悔していると公言しています。当時すでに『ツインズ』(1988年)などコメディ路線でも成功を収めていたシュワルツェネッガーへの強い対抗意識が、スタローンの判断を曇らせた形となりました。
製作を担当したアイヴァン・ライトマンは『ゴーストバスターズ』(1984年)や『キンダガートン・コップ』(1990年)を手がけた実績のあるコメディ映画の名プロデューサーです。音楽のアラン・シルヴェストリは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズなどで知られる作曲家で、本作でも軽快なスコアを提供しています。
興行成績と評価
北米興行収入は約2,841万ドル、全世界興行収入は約7,061万ドルを記録しました。北米では初登場2位という出足を見せており、スタローンの知名度による集客効果は一定程度発揮されましたが、批評面では酷評が相次ぎました。
第12回ゴールデンラズベリー賞(1992年)では最低男優賞(スタローン)、最低助演女優賞(エステル・ゲティ)、最低脚本賞の3部門でノミネートされ、最低脚本賞を受賞しました。スタローン本人がこの映画への出演を後悔していると公言したことは広く知られており、スタローンのフィルモグラフィーの中でも「失敗作」の代名詞として語られることの多い作品となっています。
まとめ:スタローン史上最大の「失敗作」として語り継がれる異色作
『刑事ジョー ママにお手あげ』は、シュワルツェネッガーの計略に乗せられたスタローンが脚本を確認せずに出演を決めたという制作秘話と、その結果として生まれた興味深いエピソードを持つ作品です。作品としての評価こそ芳しくありませんが、エステル・ゲティの圧倒的なコメディエンヌとしての存在感と、「泣く子も黙る鬼刑事が実母にだけはかなわない」というコンセプトは、今見ても独特の笑いを提供しています。
スタローンとシュワルツェネッガーという二大スターのライバル関係を語る上でも、また1990年代初頭のハリウッドにおけるアクションスターのコメディ路線挑戦という文脈においても、本作は映画史上のユニークな一ページを飾っています。現在はDVDのほか各種動画配信サービスで鑑賞可能です。
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