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1996年に公開されたアメリカ映画『デイライト』(原題:Daylight)は、シルヴェスター・スタローンが主演したディザスター(災害)・パニック映画です。ニューヨークのマンハッタンとニュージャージーを結ぶ海底トンネルで大爆発事故が発生し、内部に閉じ込められた人々と、彼らを救うために単身トンネルに飛び込む元救助隊長の決死の脱出劇を描いています。監督は後に『ワイルド・スピード』(2001年)を手がけるロブ・コーエン、音楽はランディ・エデルマン。共演には、後に『ロード・オブ・ザ・リング』のアラゴルン役で世界的スターとなるヴィゴ・モーテンセンや、エイミー・ブレネマン、ダン・ヘダヤらが名を連ねています。本記事では作品概要・あらすじ・キャスト・制作背景・日本での公開事情まで、公的情報をもとに詳しく解説いたします。
作品概要:基本情報
『デイライト』(原題:Daylight)は、1996年に製作・公開されたアメリカのディザスター(災害)・アクション映画です。
監督はロブ・コーエン、脚本はレスリー・ボーエム、製作はジョン・デイビス、デヴィッド・T・フレンドリー、ジョゼフ・M・シンガー、製作総指揮はラファエラ・デ・ラウレンティスが担当。撮影はデヴィッド・エグビー、編集はピーター・アムンドソン、音楽はランディ・エデルマンが手がけました。製作会社はデイビス・エンターテインメント、配給はユニバーサル・ピクチャーズです。北米では1996年12月6日に公開され、日本ではUIP配給のもと1996年12月21日に公開されました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原題 | Daylight |
| 製作年 | 1996年 |
| 製作国 | アメリカ |
| 監督 | ロブ・コーエン |
| 脚本 | レスリー・ボーエム |
| 音楽 | ランディ・エデルマン |
| 撮影 | デヴィッド・エグビー |
| 製作総指揮 | ラファエラ・デ・ラウレンティス |
| 製作費 | 約8,000万ドル |
| 上映時間 | 約114分 |
| 配給(北米) | ユニバーサル・ピクチャーズ |
| 北米公開 | 1996年12月6日 |
| 日本公開 | 1996年12月21日 |
| 北米興行収入 | 約3,302万ドル |
| 全世界興行収入 | 約1億5,921万ドル |
あらすじ:海底トンネルに閉じ込められた人々の決死の脱出
ニューヨーク郊外の廃棄物処理業者が、有害な産業廃棄物をドラム缶に積んでニュージャージーの処分場へ不法投棄しようと、トラックでマンハッタンとニュージャージーを結ぶハドソン・トンネルへと向かっていました。同じトンネルには、ニューヨークを離れようとしている劇作家のマディ・トンプソン(エイミー・ブレネマン)、少年院へ向かう少年たちのバス、休暇中の家族、犬を連れた老夫婦、スポーツ用品会社の広告塔である冒険家ロイ・ノード(ヴィゴ・モーテンセン)など、多くの人々が乗り合わせていました。
そこへ、宝石強盗を働いて警察の追跡を逃れようとする一団が猛スピードで車をトンネルに突入させます。強盗団の車が廃棄物運搬車に衝突したことから、トンネル内で連鎖的な大爆発が発生。トンネルの両端の出口は瓦礫で塞がれ、数百人が地下深くに閉じ込められてしまいます。
事故の報を受けて駆けつけたのは、かつてニューヨーク市の緊急医療サービス(EMS)の隊長を務めていたキット・ラトゥーラ(シルヴェスター・スタローン)でした。過去のある事故で部下を失い、その責任を問われて職を追われたという心の傷を抱えるラトゥーラは、トンネルの構造を熟知した唯一の人物として、危険を顧みず単身トンネル内部へと潜入します。生存者たちと合流したラトゥーラは、刻一刻と迫る浸水や崩落、さらなる爆発の危機と闘いながら、人々を地上の光(デイライト)へと導くべく決死の脱出行を開始します。
キャスト紹介
シルヴェスター・スタローン(キット・ラトゥーラ役)
本作の主人公で、元ニューヨーク市緊急医療サービス隊長を演じています。過去の事故の責任を背負いながら、再び人命救助のために命を懸ける男の姿を熱演しています。最も危険なシーンを除いて、一部のスタントを俳優自身が演じたとも伝えられています。
エイミー・ブレネマン(マディ・トンプソン役)
ニューヨークを離れようとしていた矢先に事故に巻き込まれる、駆け出しの劇作家を演じています。ラトゥーラとともに脱出を目指すヒロイン的な役どころです。
ヴィゴ・モーテンセン(ロイ・ノード役)
スポーツ用品会社の広告塔として知られる傲慢な冒険家を演じています。後に『ロード・オブ・ザ・リング』三部作のアラゴルン役で世界的スターとなる俳優で、本作では自らの登山やカヤックなどの冒険を売りにする自信家の役柄を演じています。
ダン・ヘダヤ(フランク・クラフト役)
緊急医療サービスの代理隊長で、かつてラトゥーラの友人でしたが、フランクの兄弟がラトゥーラの監督下で死亡したことから関係が疎遠になっているという複雑な人物を演じています。
スタン・ショウ(ジョージ・タイレル役)
トンネル内に閉じ込められる交通警官を演じています。
クレア・ブルーム(エレノア役)
トンネルに閉じ込められる老婦人の役。イギリスを代表するベテラン女優です。
セイジ・スタローン(ヴィンセント役)
少年院へ向かう若者の役で、シルヴェスター・スタローンの実子です。映画『ロッキー5』(1990年)にも父と共演で出演していました。
このほか、ジェイ・O・サンダース、カレン・ヤング、ダニエル・ハリス、バリー・ニューマン、ヴァネッサ・ベル・キャロウェイらが脇を固めています。
制作背景:実際にトンネルを建造し、ローマで撮影
本作の制作において特筆すべきは、撮影のためのこだわりです。トンネル内のシーンを撮影するために、実際にトンネルのセットが建造され、トンネル内での撮影が行われました。トンネル事故のシーンは特撮(ミニチュアや模型などの伝統的な手法)と当時最新のVFXが交互に使われており、リアリティのある事故シーンが作り上げられています。トンネルのシーンの撮影はイタリア・ローマのチネチッタ撮影所で行われ、一部の撮影はニューヨークでも実施されました。
監督のロブ・コーエンによれば、当初キット・ラトゥーラ役にはニコラス・ケイジを起用したいと考えていましたが、ユニバーサルの幹部がケイジを「性格俳優寄り」とみなし、より商業的に集客が見込めるスタローンが選ばれたという経緯があります。
なお、本作は公開当時から1972年の名作パニック映画『ポセイドン・アドベンチャー』に酷似していると指摘されてきました。実際にストーリー展開や登場人物の台詞などに『ポセイドン・アドベンチャー』を彷彿とさせる要素が多く見られます。
音楽スコアはランディ・エデルマンが担当し、緊迫感と高揚感を兼ね備えたスコアで作品を盛り上げています。また、主題歌としてドナ・サマーとブルース・ロバーツによる「Whenever There Is Love(愛があれば〜デイライトより)」が起用されました。
日本での公開事情:豊浜トンネル事故による公開延期
本作の日本での公開には、痛ましい事故が影を落としました。
当初、本作は日米同時公開が予定されていましたが、公開のおよそ10か月前の1996年2月、北海道で豊浜トンネル岩盤崩落事故が発生しました。トンネル事故を題材とした本作の公開を懸念する声が上がったことから、日本ではアメリカ本国から20日遅れての公開となりました。最終的に日本での公開日は1996年12月21日となっています。
興行成績と評価
製作費約8,000万ドルに対し、北米興行収入は約3,302万ドルにとどまりましたが、海外では約1億2,619万ドルを稼ぎ、全世界興行収入は約1億5,921万ドルを記録しました。北米では振るわなかったものの、国際的には製作費を上回る商業的成功を収めた作品です。
批評面では賛否が分かれる評価となりました。冒頭のトンネル爆発・崩落シーンの迫力は高く評価される一方、その後の脱出劇の地味さや、『ポセイドン・アドベンチャー』との類似性を指摘する声もありました。日本では「日曜洋画劇場」「午後のロードショー」などで繰り返しテレビ放送され、根強い人気を持つパニック映画として親しまれています。
まとめ:90年代パニック映画ブームを代表するスタローンの娯楽大作
『デイライト』は、1990年代に巻き起こったディザスター(災害)・パニック映画ブームの一翼を担った作品です。海底トンネルの大事故という閉鎖空間ならではの緊張感と、心に傷を抱えた主人公が再起する人間ドラマを組み合わせた構成は、娯楽作として今も十分に楽しめる内容となっています。冒頭の圧巻のトンネル崩落シーン、ヴィゴ・モーテンセンら個性的な脇役陣の存在感、そしてスタローンの渋いヒーロー像が魅力です。
スタローンのフィルモグラフィーの中でもアクション一辺倒ではない「災害サバイバル」というジャンルへの挑戦作として、また90年代ハリウッドのパニック映画を代表する一本として、今も語り継がれています。現在はDVD・Blu-rayのほか、各種動画配信サービスでも鑑賞可能です。
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