【コップランド(1997)】スタローンが40ポンド増量して挑んだ最高傑作!名優たちと激突する警察腐敗ドラマを徹底解説

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※記事内の画像は全てイメージです。実際の製品・写真とは異なります。

1997年に公開されたアメリカ映画『コップランド』(原題:Cop Land)は、シルヴェスター・スタローンがそれまでのアクションスターのイメージを完全に脱ぎ捨て、約18キロもの増量を行って挑んだ社会派クライム・ドラマです。ロバート・デ・ニーロ、ハーヴェイ・カイテル、レイ・リオッタというアカデミー賞級の名優たちと真っ向から芝居でぶつかり合う本作は、スタローンの俳優としての評価を大きく高めた一作として知られています。監督・脚本は後に『LOGAN/ローガン』『フォードvsフェラーリ』を手がけるジェームズ・マンゴールド。ニューヨーク市警の警官たちが暮らす「警官の町」を舞台に、腐敗と忠誠の狭間で揺れる一人の保安官の再起を描いた本作の全貌を、公的情報をもとに詳しく解説いたします。


作品概要:基本情報

『コップランド』(原題:Cop Land)は、1997年に製作・公開されたアメリカのクライム・ドラマ映画です。ジェームズ・マンゴールド監督にとって長編2作目にあたる作品で、脚本もマンゴールド監督自身が手がけています。

製作はケアリー・ウッズ、キャシー・コンラッド、エズラ・スワードロウ、製作総指揮はボブ・ワインスタイン、ハーヴェイ・ワインスタイン、メリル・ポスターが担当。撮影はエリック・アラン・エドワーズ、編集はクレイグ・マッケイ、音楽はハワード・ショア、美術はレスター・コーエンが手がけました。製作会社はウッズ・エンターテインメント、配給はミラマックス・フィルムズです。北米では1997年8月15日に公開され、日本では松竹富士配給のもと1998年2月28日に公開されました。

項目内容
原題Cop Land
製作年1997年
製作国アメリカ
監督・脚本ジェームズ・マンゴールド
音楽ハワード・ショア
撮影エリック・アラン・エドワーズ
製作総指揮ボブ・ワインスタイン、ハーヴェイ・ワインスタイン、メリル・ポスター
製作費約1,500万ドル
上映時間105分
配給(北米)ミラマックス・フィルムズ
配給(日本)松竹富士
北米公開1997年8月15日
日本公開1998年2月28日
全世界興行収入約6,370万ドル

あらすじ:警官の町に潜む腐敗と、立ち上がる保安官

ニューヨークに隣接したニュージャージー州の小さな町ギャリソン。この町の住人のほとんどはニューヨーク市警の警官とその家族であり、通称「コップランド(警官の町)」と呼ばれていました。市警の警官たちは、市内に住むことを義務付けられていた規則を逃れるため、川を渡ったこの町に静かに暮らしていたのです。

フレディ・ヘフリン(シルヴェスター・スタローン)は、このギャリソンで保安官を務める男です。若い頃に人命救助で片耳の聴覚を失ったことが原因でニューヨーク市警の警官になる夢を断たれ、憧れの警官たちに囲まれながらも、彼らの世界の中心には入れないまま、くすぶった日々を送っていました。

ある夜、市警の花形警官マレー・バビッチ(マイケル・ラパポート)が、橋の上で起きた発砲事件で誤って民間人を射殺してしまいます。事件を重く見た市警の幹部レイ・ドンラン警部補(ハーヴェイ・カイテル)は、バビッチを自殺に見せかけて姿を隠させ、事件を巧妙に隠蔽しようとします。

一方、ニューヨーク市警内務監査部のモー・ティルデン警部補(ロバート・デ・ニーロ)は、ギャリソンの警官たちの不正に長年疑念を抱いており、フレディに協力を求めます。最初は憧れの存在である警官たちを信じたいフレディでしたが、やがて町に深く根を張った腐敗の実態に気づき始めます。孤立無援の状況の中、フレディはついに「法を守る者」として立ち上がる決断を下します。


キャスト紹介:ハリウッドを代表する豪華な顔ぶれ

シルヴェスター・スタローン(フレディ・ヘフリン役)

本作の主人公で、片耳の聴覚を失った冴えない保安官を演じています。この役のためにスタローンは約40ポンド(約18キロ)の増量を行い、鍛え抜かれた肉体を捨て去って、くたびれた中年男の哀愁を体現しました。本作の演技はスタローンのキャリア最高の演技のひとつとして高く評価されています。日本語吹替はテレビ朝日版を大塚明夫さんが担当しています。

ハーヴェイ・カイテル(レイ・ドンラン警部補役)

ギャリソンを実質的に支配するニューヨーク市警の警部補を演じています。表面上は仲間思いの警官でありながら、町の腐敗の中心にいる人物という複雑な役どころです。

ロバート・デ・ニーロ(モー・ティルデン警部補役)

ニューヨーク市警内務監査部の捜査官を演じています。ギャリソンの警官たちの不正を暴こうとし、フレディに協力を促す重要な役どころで、アカデミー賞俳優ならではの存在感を放っています。

レイ・リオッタ(ゲイリー・フィッグス刑事役)

かつてドンランたちの仲間でしたが、今は彼らと距離を置く一匹狼の刑事を演じています。物語のキーパーソンとして、どちらの陣営につくのか最後まで目が離せない役どころです。

マイケル・ラパポート(マレー・バビッチ巡査役)

発砲事件を起こし、事件の発端となる若い警官を演じています。

ピーター・バーグ(ジョーイ・ランドーン巡査役)

ギャリソンの警官の一人。後に監督としても活躍する俳優です。

ジャニーン・ガロファロー(シンディ・ベッツ保安官補役)

フレディの部下である保安官補を演じています。

ロバート・パトリック(ジャック・ラッカー刑事役)

ギャリソンの警官の一人。映画『ターミネーター2』(1991年)のT-1000役で知られる俳優です。

このほか、アナベラ・シオラ、キャシー・モリアーティ、ジョン・スペンサー、ノア・エメリッヒらが脇を固めており、群像劇としての厚みを生み出しています。


制作背景:スタローンが破格の出演料で挑んだ理由

本作の制作背景として最も語り継がれているのが、シルヴェスター・スタローンの本作への並々ならぬ情熱です。

当時のスタローンは1本あたり約2,500万ドルという破格の出演料を得るトップスターでしたが、本作ではわずか約5万ドルという破格の低額と利益配分という条件で出演しました。さらに『エアフォース・ワン』への出演オファーを断ってまで本作に賭けたとされています。スタローンは役作りについて「体重を増やすことは喜びだった」「タブーだったものを全部食べた。朝食にパンケーキ、お気に入りのイタリアンレストランからパスタを山ほど注文した」と語っており、肉体改造によって役柄に深く入り込んでいったことがうかがえます。

監督・脚本のジェームズ・マンゴールドは、舞台となるギャリソンを自身の故郷であるニューヨーク州ワシントンビルをモデルに描いています。マンゴールドが育った地域には、現役・退役のニューヨーク市警の警官が多く住んでいたという実体験が物語の土台となっています。マンゴールド監督は本作について「ニュージャージーを舞台にした西部劇を書きたかった」とも語っており、腐敗した町に立ち向かう孤独な保安官という構図には、西部劇の伝統的なヒーロー像が投影されています。

主要な撮影はニュージャージー州エッジウォーターで行われました。音楽を担当したハワード・ショアは、後に『ロード・オブ・ザ・リング』三部作でアカデミー賞を受賞する名作曲家で、本作でも作品の緊張感を支える重厚なスコアを提供しています。

なお、本作は当初カンヌ国際映画祭での上映が予定されていましたが、完成が間に合わず断念され、公開前に一部の追加撮影(リシュート)が行われたことも記録されています。


興行成績と評価

製作費約1,500万ドルに対し、全世界興行収入は約6,370万ドルを記録し、商業的には成功を収めました。

批評面では、スタローンの演技が高く評価され、それまでのアクションスターのイメージを覆す抑制の効いた演技として、公開当時から「オスカー候補」との声も上がりました。ミラマックスは本作を、かつて『パルプ・フィクション』でジョン・トラボルタを再生させたように、スタローンをA級俳優として再確立させる作品として期待していました。結果的にアカデミー賞へのノミネートは実現しませんでしたが、年月を経て本作は「スタローンの最高傑作」と評する声も多く、カルト的な人気を獲得しています。


まとめ:俳優スタローンの真価を示した不朽のクライム・ドラマ

『コップランド』は、世界的アクションスターとしての地位を確立したスタローンが、その看板を一度脱ぎ捨てて「演技で勝負する俳優」としての真価を示した記念碑的な作品です。デ・ニーロ、カイテル、リオッタといった名優たちに囲まれながらも、決して埋もれることなく独自の存在感を放ったスタローンの演技は、彼のフィルモグラフィーの中でも特別な輝きを放っています。

警察組織の腐敗、忠誠と正義の相克、そして冴えない男の再起というテーマを、西部劇の構図で描き出したジェームズ・マンゴールド監督の手腕も見事です。公開当時の評価以上に年月を経て再評価が進んでいる本作は、骨太な社会派ドラマやクライム映画がお好きな方にぜひおすすめしたい一作です。現在はDVD・Blu-rayのほか、各種動画配信サービスでも鑑賞可能です。


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