【追撃者(2000)】スタローン主演!英国名作『狙撃者』をリメイクしたネオ・ノワール・アクションを徹底解説

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※記事内の画像は全てイメージです。実際の製品・写真とは異なります。

2000年に公開されたアメリカ映画『追撃者』(原題:Get Carter)は、シルヴェスター・スタローンが主演したネオ・ノワール・アクション・スリラー映画です。1971年にマイケル・ケイン主演で製作された英国の傑作犯罪映画『狙撃者』のリメイク作で、原作はテッド・ルイスの小説『ジャックの帰郷(Jack’s Return Home)』。弟の不審死の真相を追う取り立て屋の男が、裏社会の陰謀に巻き込まれていく姿を描いています。オリジナル版で主役を演じたマイケル・ケインが本作にも出演しているほか、ミッキー・ローク、アラン・カミング、ミランダ・リチャードソン、レイチェル・リー・クックら個性的な顔ぶれが共演しています。本記事では作品概要・原作との関係・あらすじ・キャスト・制作背景・興行成績まで、公的情報をもとに詳しく解説いたします。


作品概要:基本情報

『追撃者』(原題:Get Carter)は、2000年に製作・公開されたアメリカのネオ・ノワール・アクション・スリラー映画です。

監督はスティーヴン・ケイ、脚本はデヴィッド・マッケンナ、原作はテッド・ルイスの小説『ジャックの帰郷』。製作はマーク・カントン、ニール・カントン、イーライ・サマハ、撮影はマウロ・フィオーレ、編集はジェリー・グリーンバーグ、音楽はタイラー・ベイツが担当しています。製作会社はフランチャイズ・ピクチャーズほか、配給はモーガン・クリーク・プロダクションズ(ワーナー・ブラザース経由)です。北米では2000年10月6日に公開され、日本では日本ヘラルド映画配給のもと2001年1月13日に公開されました。

項目内容
原題Get Carter
製作年2000年
製作国アメリカ
監督スティーヴン・ケイ
脚本デヴィッド・マッケンナ
原作テッド・ルイス『ジャックの帰郷』
音楽タイラー・ベイツ
撮影マウロ・フィオーレ
製作費約6,360万ドル
上映時間102分
配給(日本)日本ヘラルド映画
北米公開2000年10月6日
日本公開2001年1月13日
全世界興行収入約1,940万ドル

原作と前作:英国の伝説的犯罪映画『狙撃者』

本作を語る上で欠かせないのが、オリジナルである1971年の英国映画『狙撃者』(原題:Get Carter)の存在です。

オリジナル版はマイク・ホッジス監督、マイケル・ケイン主演で製作された犯罪映画で、ロンドンとニューカッスルを舞台に、弟の死の真相を追うギャングのジャック・カーターを描いた作品です。冷徹で容赦のない暴力描写と乾いたハードボイルドの美学で知られ、イギリス犯罪映画の金字塔として今も高く評価されています。原作はいずれもテッド・ルイスの小説『ジャックの帰郷(Jack’s Return Home)』です。

2000年版の本作は、この英国の名作を舞台をアメリカ(ラスベガスとシアトル)に移し替えてリメイクしたものです。オリジナルで主役のジャック・カーターを演じたマイケル・ケインが、本作では悪役のクリフ・ブランビー役として出演している点が、ファンにとって大きな見どころとなっています。


あらすじ:弟の死の真相を追う取り立て屋

ラスベガスの裏社会で、悪党から借金を回収する取り立て屋(マフィアの取り立て役)として君臨するジャック・カーター(シルヴェスター・スタローン)。冷徹で腕の立つ彼は、その筋では名の知れた存在でした。

ある日、ジャックのもとに、シアトルに住む弟リッチーが飲酒運転による交通事故で死亡したという報せが届きます。葬儀のために何年も帰っていなかった故郷シアトルへと戻ったジャックでしたが、弟の妻グロリア(ミランダ・リチャードソン)は、長年音沙汰のなかったジャックに良い顔をしません。

弟の死に不審な点が多いと感じたジャックは、独自に真相を探り始めます。弟が支配人を務めていたクラブのオーナーで高利貸しのクリフ・ブランビー(マイケル・ケイン)をはじめ、裏社会の人間たちを次々と訪ね歩くうち、ジャックはネット上のポルノ事業や裏社会の陰謀の存在に行き当たります。真相に近づくにつれ、何者かによる妨害は激化し、ジャック自身も命を狙われるようになります。やがて弟の死の裏に隠された衝撃の事実が明らかになっていきます。


キャスト紹介

シルヴェスター・スタローン(ジャック・カーター役)

本作の主人公で、ラスベガスの取り立て屋を演じています。クールでタフなハードボイルドの主人公を、独特の存在感で体現しています。日本語吹替はテレビ東京版をささきいさおさんが担当しています。

マイケル・ケイン(クリフ・ブランビー役)

1971年のオリジナル版『狙撃者』で主役のジャック・カーターを演じた名優が、本作では高利貸しの悪役クリフ・ブランビーを演じています。ケインの出演は、もともと友人であるスタローンへの厚意による一場面のみのカメオ出演の予定でした。ケインとスタローンは映画『勝利への脱出』(1981年)でも共演しています。

ミランダ・リチャードソン(グロリア・カーター役)

ジャックの弟リッチーの妻を演じています。イギリスを代表する実力派女優です。

レイチェル・リー・クック(ドリーン・カーター役)

ジャックの姪を演じています。映画『シーズ・オール・ザット』(1999年)への出演で知られる女優です。

ミッキー・ローク(サイラス・ペイス役)

裏社会の人物サイラスを演じています。独特の存在感で知られる個性派俳優です。

アラン・カミング(ジェレミー・キネア役)

IT長者のジェレミー・キネアを演じています。

ジョン・C・マッギンレイ(コン・マッカーティ役)

ジャックのラスベガスでの相棒を演じています。

このほか、ローナ・ミトラ、ジョニー・ストロングらが脇を固めています。なお、ラスベガスのボス、フレッチャー役は声のみの出演で、ジェームズ・ガンドルフィーニがノンクレジットで担当しています。


制作背景:マイケル・ケインのカメオが本格的な役に拡大

本作の制作には興味深いエピソードがあります。前述のとおり、マイケル・ケインの出演はもともと一場面だけのカメオ出演の予定でした。しかしテスト試写の観客からの反応が良かったため、ケインの役を拡大する追加シーンが脚本に書き加えられ、撮影が行われました。その結果、ケインは本作において重要な役どころを演じることとなりました。

音楽を担当したタイラー・ベイツにとって、本作はメジャー映画作品の初スコアとなりました。タイトルテーマは1971年版でロイ・バッドが手がけたテーマ曲「Carter Takes a Train」のリミックスとなっています。サウンドトラックにはモービー、ポール・オークンフォールド、グルーヴ・アルマダ、フェイ・ウォンら多彩なアーティストの楽曲が起用されています。

なお、本作はフランチャイズ・ピクチャーズとドイツのインターテインメント社によって出資されましたが、後に出資をめぐる訴訟が起きたことも報じられています。


興行成績と評価

製作費約6,360万ドルに対し、全世界興行収入は約1,940万ドルにとどまり、興行的には製作費を大きく下回る結果となりました。

批評面でも厳しい評価が続き、オリジナルの『狙撃者』が持っていた乾いた暴力美学やハードボイルドの妙味が十分に再現されていないという指摘が多く見られました。映画批評集積サイトのロッテン・トマトーズでも批評家からの評価は低調でした。本作は当時のスタローンのキャリアにおける低迷期を象徴する作品のひとつとされ、続く『ドリヴン』(2001年)や『D-TOX』などとともに、苦戦が続いた時期の一本として語られることが多くなっています。

一方で、オリジナル版で主役を演じたマイケル・ケインが悪役として登場するという配役の妙や、スタイリッシュな映像表現については一定の評価をする声もあります。


まとめ:英国の名作リメイクに挑んだスタローンのネオ・ノワール

『追撃者』は、英国犯罪映画の金字塔『狙撃者』をアメリカに舞台を移してリメイクした、スタローン主演のネオ・ノワール・アクションです。興行的・批評的には苦戦を強いられた作品ですが、オリジナルで主役を演じたマイケル・ケインが本作では悪役として出演するという豪華な趣向や、ミッキー・ローク、アラン・カミングといった個性派俳優たちの共演など、見どころも少なくありません。

オリジナル版『狙撃者』と見比べることで、英米の犯罪映画の作風の違いや、リメイクという表現手法の難しさを考える上でも興味深い一作です。スタローンのフィルモグラフィーを辿る上での一本として、また犯罪映画・ネオ・ノワールがお好きな方にとっては、一見の価値がある作品といえます。現在はDVDのほか、各種動画配信サービスでも鑑賞可能です。


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