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2014年に製作されたアメリカ映画『ゲットバッカーズ』(原題:Reach Me)は、シルヴェスター・スタローンをはじめ、トム・ベレンジャー、キーラ・セジウィック、ダニー・トレホ、トーマス・ジェーン、ケルシー・グラマーら錚々たる豪華キャストが集結した群像劇(アンサンブル・ドラマ)です。正体を明かさない謎の著者が書いた1冊の自己啓発本が、ジャーナリスト、元受刑者、警官、マフィア、新人女優など、まったく接点のない人々の人生に影響を与えていく様子をオフビートに描いています。監督・脚本は『バレンタイン・デー』『15ミニッツ』のジョン・ハーツフェルド。製作費の一部をクラウドファンディングで募って完成させたという異色の制作背景でも知られる本作の全貌を、公的情報をもとに詳しく解説いたします。
作品概要:基本情報
『ゲットバッカーズ』(原題:Reach Me)は、2014年に製作されたアメリカのドラマ/クライム・コメディ映画です。原題の「Reach Me」は劇中に登場する自己啓発本のタイトルを指します。なお、本作は日本では劇場未公開で、DVDリリースおよびテレビ放送を中心に紹介されました。日本のアニメ・漫画作品『ゲットバッカーズ-奪還屋-』とは一切関係がありません。
監督・脚本はジョン・ハーツフェルド、製作はレベッカ・チェイニー、キャシアン・エルウィズ、バディ・パトリック、ジョン・ハーツフェルド、撮影はヴァーン・ノーブルズ・ジュニア、音楽はトゥリー・アダムスが担当しています。製作会社はセラフィム・フィルムズ・プロダクションズ、アメリカでの配給はミレニアム・エンターテインメントです。アメリカでは2014年11月21日に限定公開されました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原題 | Reach Me |
| 製作年 | 2014年 |
| 製作国 | アメリカ |
| 監督・脚本 | ジョン・ハーツフェルド |
| 音楽 | トゥリー・アダムス |
| 撮影 | ヴァーン・ノーブルズ・ジュニア |
| 製作費 | 約500万ドル |
| 上映時間 | 約92〜95分 |
| 米国配給 | ミレニアム・エンターテインメント |
| 米国公開 | 2014年11月21日(限定公開) |
| 日本での扱い | 劇場未公開(DVD・テレビ放送) |
あらすじ:1冊の本が結びつける見知らぬ人々の運命
物語の中心にあるのは、決して公の場に姿を現そうとしない謎の著者テディ・レイモンド(トム・ベレンジャー)が書いた『Reach Me』という1冊の自己啓発本です。前向きなメッセージに満ちたこの本は、口コミで爆発的に広がり、社会現象を巻き起こしていきます。
刑務所では、仮釈放を間近に控えた女性受刑者コレット(キーラ・セジウィック)が、テレビで元犯罪者のラッパーが「この本で人生が変わった」と語るのを見て、強く興味を惹かれます。一方、ゴシップ記者のロジャー(ケヴィン・コナリー)は、編集者であるジェラルド(シルヴェスター・スタローン)から、この謎の著者の正体を突き止めるよう命じられます。
さらに、過去に深い傷を抱える潜入捜査官のウルフィー(トーマス・ジェーン)、酒に溺れる神父(ダニー・アイエロ)、本に夢中になるマフィアたち、そして人生の転機を求める新人女優など、まったく接点のなかった人々が、この1冊の本をきっかけに少しずつ運命を交差させていきます。それぞれの登場人物が抱える悩みや葛藤が、本のメッセージを通じて少しずつほどけていく様子が、複数の物語を並行して描く群像劇として展開されます。
キャスト紹介:実力派・人気俳優が多数集結
本作は群像劇という性質上、非常に多くの実力派俳優が出演しています。
シルヴェスター・スタローン(ジェラルド役)
ゴシップ記者ロジャーの上司である編集者を演じています。「エクスペンダブルズ」シリーズなどで知られるスタローンが、本作では群像劇の一員として落ち着いた演技を見せています。日本語吹替は宮本克哉さんが担当しています。
トム・ベレンジャー(テディ・レイモンド役)
物語の鍵を握る、姿を見せない謎の自己啓発本の著者を演じています。映画『プラトーン』(1986年)や「山猫は眠らない」シリーズで知られる俳優です。
キーラ・セジウィック(コレット役)
元放火犯の女性受刑者を演じています。テレビドラマ「クローザー」などで知られる女優です。
ケヴィン・コナリー(ロジャー役) 謎の著者を追うゴシップ記者を演じています。テレビドラマ「アントラージュ★オレたちのハリウッド」で知られる俳優です。
トーマス・ジェーン(ウルフィー役)
過去に傷を抱える潜入捜査官(ガンマンの警官)を演じています。映画『ミスト』(2007年)などで知られる俳優です。
ダニー・アイエロ(神父役)
酒に溺れる神父を演じています。映画『ドゥ・ザ・ライト・シング』(1989年)などで知られるベテラン俳優です。
ケルシー・グラマー(アンジェロ役)
マフィアの一員を演じています。テレビドラマ「frasier フレイジャー」で知られる俳優です。
このほか、ローレン・コーハン、テリー・クルーズ、ケイリー・エルウィズ、ライアン・クワンテン、トム・サイズモア、ダニー・トレホ、エリザベス・ヘンストリッジ、オマリ・ハードウィック、デヴィッド・オハラ、そしてラッパーのネリーなど、非常に豪華な顔ぶれが集結しています。
制作背景:クラウドファンディングで完成させた情熱の一作
本作の制作で最も特筆すべきは、その資金調達の経緯です。
監督・脚本のジョン・ハーツフェルドは、本作を10年以上にわたって温め続けてきた企画だったと語っています。しかし、撮影が進行している最中に主要な出資者の1人が約25万ドルの出資から手を引いてしまうという事態に見舞われます。ハーツフェルド監督とプロデューサーらは自己資金を投じて制作を続けましたが、ポストプロダクション(編集等の仕上げ作業)と追加撮影のための資金が不足していました。
そこでハーツフェルド監督は、主演のシルヴェスター・スタローンらとともに、クラウドファンディングという手法で資金を募ることを決断します。当初はKickstarterで約25万ドルを目標に呼びかけ、目標額を上回る支援が集まりましたが、最終的にこのキャンペーンはキャンセルされ、その後Indiegogoに切り替えて資金調達を行ったと報じられています。スタローン自身がクラウドファンディングの呼びかけ動画に登場し、本作について「ここ数年で最高のドラマの役を得た」という趣旨のコメントを残していることからも、本作への強い思い入れがうかがえます。
スタローンをはじめとする豪華キャストの多くが、ほぼノーギャラに近い条件で本作に参加したとも伝えられており、出演者たちのハーツフェルド監督への信頼と作品への情熱が、本作を完成へと導いたといえます。
なお、本作の作風はポール・トーマス・アンダーソン監督の群像劇『マグノリア』(1999年)と比較されることが多く、複数の登場人物の物語が並行して描かれる構成が特徴となっています。
公開と評価
本作はアメリカでは2014年11月21日に限定公開されましたが、興行的には非常に厳しい結果に終わりました。各種資料によれば、約500万ドルの製作費に対し、劇場での興行収入はごくわずかにとどまっています。
批評面でも厳しい評価が多く、豪華なキャストを活かしきれていない点や、群像劇としての焦点の定まらなさを指摘する声が目立ちました。一方で、これだけの豪華俳優が一堂に会する稀少さや、自己啓発本を題材にしたユニークな着眼点については、興味深いと評価する向きもあります。
日本では劇場未公開でしたが、『ゲットバッカーズ』の邦題でDVD化され、洋画専門チャンネルなどでテレビ放送もされました。豪華キャスト目当てに鑑賞する映画ファンにとって、隠れた発見のある一作となっています。
まとめ:豪華キャストの競演が魅力の異色群像劇
『ゲットバッカーズ』は、1冊の自己啓発本を軸に、まったく接点のない人々の人生が交錯していく様子を描いた群像劇です。アクション映画のイメージが強いシルヴェスター・スタローンが、本作では群像劇の一員として静かな演技を見せている点も興味深いところです。クラウドファンディングで完成させたという制作背景や、豪華キャストがほぼノーギャラで集結したという逸話は、本作が出演者たちの情熱に支えられた作品であることを物語っています。
作品としての評価は分かれるものの、これだけの実力派・人気俳優が一度に楽しめる作品は貴重です。スタローンのフィルモグラフィーを辿る上での一本として、また豪華な出演陣の競演を味わいたい方にとっては、一見の価値がある作品といえます。現在はDVDのほか、各種動画配信サービスでも鑑賞可能です。
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