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2018年に製作されたアメリカ映画『バックトレース』(原題:Backtrace)は、シルヴェスター・スタローンが主演したクライム・アクション・スリラー映画です。7年前の銀行強盗事件の唯一の生存者であり、記憶を失った男を追う刑事と、その男を使って隠した大金を取り戻そうとする人物たちの追跡劇を描いています。監督はブライアン・A・ミラー、共演にはマシュー・モディーン、ライアン・グスマン、メドウ・ウィリアムズ、クリストファー・マクドナルドら実力派俳優が顔を揃えています。アメリカでは動画配信(ビデオ・オン・デマンド)と限定公開で2018年12月に公開され、日本では「未体験ゾーンの映画たち2019」の上映作品の一本として2019年4月12日に劇場公開されました。本記事では作品概要・あらすじ・キャスト・制作背景・評価まで、公的情報をもとに詳しく解説いたします。
作品概要:基本情報
『バックトレース』(原題:Backtrace)は、2018年に製作されたアメリカ(およびカナダとの共同製作)のアクション・クライム・スリラー映画です。
監督はブライアン・A・ミラー、脚本はマイク・メープルズ、撮影はピーター・A・ホランド、編集はトーマス・カルデロン、音楽はティム・ジョーンズが担当しています。製作にはランドール・エメット、ジョージ・フルラ、マット・ルーバー、マーク・スチュワートらが名を連ねています。製作会社はグラインドストーン・エンターテインメント・グループ、エメット/フルラ/オアシス・フィルムズほか、配給はライオンズゲート・プレミアです。日本では2019年4月12日にハピネット配給のもと、「未体験ゾーンの映画たち2019」の上映作品として劇場公開されました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原題 | Backtrace |
| 製作年 | 2018年 |
| 製作国 | アメリカ(カナダとの共同製作) |
| 監督 | ブライアン・A・ミラー |
| 脚本 | マイク・メープルズ |
| 音楽 | ティム・ジョーンズ |
| 撮影 | ピーター・A・ホランド |
| 製作費 | 約600万ドル |
| 上映時間 | 約87〜96分(版によって異なる) |
| 配給(日本) | ハピネット |
| 米国公開 | 2018年12月14日(VOD・限定公開) |
| 日本公開 | 2019年4月12日 |
| 全世界興行収入 | 約49万ドル |
あらすじ:記憶喪失の強盗犯と刑事の追跡劇
7年前、ある地方都市で発生した武装強盗事件。犯人グループはまんまと大金を奪ったものの、その後内輪もめを起こして仲間割れの銃撃戦が勃発し、唯一の生き残りとなったドノヴァン・マクドナルド(マシュー・モディーン)は頭部に銃弾を受け、事件以前の記憶を完全に失ってしまいます。大金の隠し場所を知る唯一の人物が記憶を失ったことで、事件は迷宮入りのまま7年の歳月が流れます。
その間マクドナルドは精神科の施設に収容されたままでした。そんなある日、受刑者のルーカス(ライアン・グスマン)と施設の女性医師エリン(メドウ・ウィリアムズ)、そしてルーカスの仲間が協力してマクドナルドを施設から脱走させます。3人の目的は、マクドナルドに記憶を取り戻させる実験的な薬物「セラム」を注射し、隠された大金の在り処を吐かせることでした。
一方、7年前からこの事件を担当し続けているベテラン刑事サイクス(シルヴェスター・スタローン)は、マクドナルドの脱走を知り再び捜査に乗り出します。サイクスの捜査にはFBI捜査官フランクス(クリストファー・マクドナルド)も加わり、それぞれの思惑を胸に抱えながらマクドナルドを追い始めます。記憶が断片的に蘇っていくマクドナルドの脳内に、7年前の事件の真相が徐々に浮かび上がり、物語は意外な方向へと進んでいきます。
キャスト紹介
シルヴェスター・スタローン(サイクス刑事役)
本作の主演で、7年間ずっと事件を追い続けるベテラン刑事を演じています。派手なアクションよりも堅実な捜査官としての役どころで、重みある存在感で作品を引き締めています。なお、日本語版映画紹介資料および複数のレビューによれば、本作におけるスタローンの実際の出演時間は比較的限られています。
マシュー・モディーン(ドノヴァン・マクドナルド役)
本作の実質的な主役で、記憶喪失の元強盗犯を演じています。映画『フルメタル・ジャケット』(1987年)や『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』(2018年)などで知られる俳優で、記憶が断片的に戻っていく男の混乱と葛藤を演じています。
ライアン・グスマン(ルーカス役)
マクドナルドを施設から脱走させる受刑者ルーカスを演じています。テレビドラマ「ブレインデッド」「ビューティー&ザ・ビースト」などで知られる俳優です。
メドウ・ウィリアムズ(エリン医師役)
施設の女性医師で、ルーカスに協力してマクドナルドの脱走を手助けする人物を演じています。
クリストファー・マクドナルド(フランクス特別捜査官役)
サイクス刑事の捜査に加わるFBIの特別捜査官を演じています。映画『テルマ&ルイーズ』(1991年)などへの出演で知られるベテラン俳優です。
コリン・エッグレスフィールド(カーター刑事役)
サイクスとともに捜査にあたる刑事役を演じています。
このほか、リディア・ハル、タイラー・ジョン・オルソン、スウェン・テメル、セルジオ・リズートらが脇を固めています。
制作背景:ランドール・エメット製作のVOD路線低予算作品
本作の制作背景として注目すべきは、製作を担ったランドール・エメット&ジョージ・フルラ(エメット/フルラ/オアシス・フィルムズ)のコンビです。この製作会社はスタローンとは本作以前にも複数の作品でタッグを組んでおり、スタローンのDVD・VOD向け低予算作品を数多く手がけてきた実績があります。
本作の監督ブライアン・A・ミラーはB級アクション映画を中心に活動している監督で、スタローンとはこれ以前に複数の作品で協力関係にありました。製作費は約600万ドルという低予算に抑えられており、アメリカでは劇場での本格公開ではなく、ビデオ・オン・デマンド(VOD)と限定上映という形式で2018年12月14日にリリースされました。
本作は、スタローンが2018年に公開された『クリード 炎の宿敵』で再びロッキー・バルボアを演じた直後にリリースされており、興行的に成功した大作の公開に時期を合わせる形で本作がDVD/VOD市場へと投入されたことは、批評家の間でも指摘されています。
日本では「未体験ゾーンの映画たち2019」(ザ・プレイス・シネマ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか)での上映作品の一本として2019年4月12日に劇場公開され、その後ハピネット配給でDVDリリースされています。
評価と位置づけ
製作費約600万ドルに対し、全世界興行収入は約49万ドルにとどまりました。VOD・DVDでのリリースが中心のため、実際の視聴者数は劇場収入の数字よりも多いと推測されますが、商業的には大きな成功とはなりませんでした。
批評面では、IMDbのメタスコアは34点(50件の批評家レビュー、執筆時点)と低調で、脚本の平凡さや展開の予測しやすさを指摘する声が目立ちます。Varietyのレビューは、ペース感の良さや予想外の展開を一定程度評価しつつも、全体的には可もなく不可もなく、という評価でした。
スタローンが本来の主役ではなくサポート的な役どころに見えるという点については、鑑賞前に把握しておくと期待値の調整ができるでしょう。スタローンのフィルモグラフィーの網羅的鑑賞を目指すファンや、クライム・スリラーが好きな方で、低予算作品を楽しめる方向けの一本です。
まとめ:スタローンのVOD時代を象徴するクライム・スリラー
『バックトレース』は、2010年代後半のスタローンが参加した低予算VOD向け作品の一本として位置づけられます。「クリード」シリーズや「エクスペンダブルズ」シリーズといった大作と並行して、こうした小規模なDVD・VOD作品にも顔を出すというスタローンの近年のフィルモグラフィーの一側面を示す作品です。
記憶喪失の強盗犯を巡る追跡劇というシンプルなプロットは、批評的には高く評価されませんでしたが、マシュー・モディーンとライアン・グスマンの存在感、そして手堅いスタローンの演技によって、クライム・スリラーとしての最低限の見応えは確保されています。現在はDVDのほか、各種動画配信サービスでも鑑賞可能です。
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