【クリミナル・ロウ(1989)】若きゲイリー・オールドマン×ケヴィン・ベーコン!弁護士と殺人犯の心理戦を描くリーガル・スリラーを徹底解説

スポンサーリンク
スポンサーリンク
映画
スポンサーリンク

「懐かしの名作を今すぐチェック!」 ▼

映画、TV番組、ライブTV、スポーツを観る【Amazon Prime Video】

※記事内の画像は全てイメージです。実際の製品・写真とは異なります。

1989年に公開されたアメリカ映画『クリミナル・ロウ』(原題:Criminal Law)は、若きゲイリー・オールドマンが主演し、ケヴィン・ベーコンが共演したリーガル・スリラー映画です。のちに『ゴールデンアイ』(1995年)や『カジノ・ロワイヤル』(2006年)を監督する鬼才マーティン・キャンベルが手がけ、音楽は数々の名作映画で知られる大作曲家ジェリー・ゴールドスミスが担当しています。自ら無罪にした依頼人が実はレイプ殺人犯であったことを知った弁護士が、守秘義務と正義の間で葛藤しながら事件の真相へと踏み込んでいくという、法曹倫理と道徳的ジレンマをテーマにした骨太なサスペンス作品です。本記事では作品概要・あらすじ・キャスト・制作背景・評価まで、公的情報をもとに詳しく解説いたします。


作品概要:基本情報

『クリミナル・ロウ』(原題:Criminal Law)は、1988年に製作されたアメリカのリーガル・スリラー映画です。撮影はカナダで1987年10月までに完了し、1988年9月15日のカナダ・トロント映画祭(フェスティバル・オブ・フェスティバルズ)でプレミア上映された後、アメリカでの一般公開は1989年4月28日となっています。日本公開時の邦題は「クリミナル・ロウ」で、その後のビデオリリース時には「灰色の容疑者」というタイトルでリリースされました。

監督はマーティン・キャンベル、脚本はマーク・カズダン、製作はヒラリー・ヒースとロバート・マクリーン、撮影はフィル・メヒュー、編集はクリストファー・ウィンブル、音楽はジェリー・ゴールドスミスが担当しています。製作・配給はヘムデール・フィルム・コーポレーションです。日本での配給は丸紅で、ジャンルはサスペンス・ミステリー・法廷ドラマです。

項目内容
原題Criminal Law
製作年1988年(撮影1987年)
製作国アメリカ
監督マーティン・キャンベル
脚本マーク・カズダン
音楽ジェリー・ゴールドスミス
撮影フィル・メヒュー
製作費約500万ドル
上映時間117分
製作・配給ヘムデール・フィルム・コーポレーション
日本配給丸紅
米国公開1989年4月28日
米国興行収入約997万ドル
日本ビデオタイトル灰色の容疑者

あらすじ:無罪にした依頼人が真犯人だったら

舞台はアメリカ東部の都市ボストン。若くて有能な刑事弁護士ベン・チェイス(ゲイリー・オールドマン)は、裕福な社交界の青年マーティン・ティール(ケヴィン・ベーコン)がレイプ殺人の容疑者として逮捕された裁判を担当します。ベンは持ち前の弁論術を存分に発揮し、見事にティールの無罪を勝ち取ります。

しかし無罪判決の直後から、同じ手口による連続殺人事件が再び発生します。不審に思いながらもティールから再び弁護を依頼されたベンは、依頼を受けます。しかしある夜、公園でティールに呼び出されたベンは、そこで新たなレイプ殺人の被害者を発見します。ティールは自らが犯人であることをベンにほのめかしながら、再び自分の弁護を求めてきます。

弁護士にとって依頼人の秘密を漏らすことは守秘義務の違反にあたります。しかしティールが真犯人であることを知り、さらに人命への危険を感じたベンは、事件を担当する刑事スティルウェル(テス・ハーパー)と秘かに協力して、ティールの素性と犯行の証拠を独自に探り始めます。自らが下した無罪判決が招いた悲劇と向き合いながら、ベンは法の枠組みの外でティールを追い詰めようとします。守秘義務と正義という二律背反の狭間で、ベンはいかなる選択をするのか——。


キャスト紹介:2人のスターの若き日の共演

ゲイリー・オールドマン(ベン・チェイス役)

本作の主人公で、有能な刑事弁護士を演じています。前作で本記事でも触れた『シド・アンド・ナンシー』(1986年)などで評価を高めつつあった若き日のゲイリー・オールドマンが、国際的な知名度を高めていく過程での出演作となっています。弁護士として合法的な手段に縛られながらも、道義的責任を感じて行動していく複雑な役どころを演じています。Apple TVの紹介文はオールドマンについて「良心を持つ刑事弁護士として素晴らしい演技を見せた」と高く評価しています。

ケヴィン・ベーコン(マーティン・ティール役)

弁護士ベンの依頼人にして連続殺人犯の疑いを持つ青年を演じています。裕福な社交界の青年という表向きの穏やかさの裏に異常性を秘めた役柄を、不気味な静けさで体現しています。Apple TVの紹介文は「興味深く、曖昧な存在としての殺人犯を演じた」と表現しています。

テス・ハーパー(スティルウェル刑事役)

ベンとひそかに協力して事件を捜査する女性刑事を演じています。

カレン・ヤング(エレン・フォークナー役)

事件に関わる重要な人物を演じています。

ジョー・ドン・ベイカー(カール・メセル刑事役)

スティルウェルの相棒の刑事を演じています。テレビ映画や映画で多数の警察官・捜査官役を演じてきたベテラン俳優で、後にジェームズ・ボンドシリーズにも出演しています。

このほかショーン・マッキャン、ロン・リー、マイケル・シネルニコフ、エリザベス・シェパードらが脇を固めています。


制作背景:マーティン・キャンベルとジェリー・ゴールドスミス

本作の監督マーティン・キャンベルは、イギリス出身の監督で、本作公開当時はまだハリウッドでの名声を確立する前の段階にありました。しかし本作から数年後、ピアース・ブロスナン版ジェームズ・ボンドの初登場作となった『ゴールデンアイ』(1995年)でその名を世界に轟かせ、さらにダニエル・クレイグ版の第1弾『カジノ・ロワイヤル』(2006年)でも絶賛されることになります。本作はそのキャンベルのハリウッドにおける初期の重要な作品のひとつです。

音楽を担当したジェリー・ゴールドスミスは、映画『パットン大戦車軍団』(1970年)でアカデミー賞作品賞受賞に貢献し、その後も『チャイナタウン』(1974年)、『オーメン』(1976年・アカデミー賞作曲賞受賞)、『エイリアン』(1979年)、『スター・トレック』(1979年)、『007/ネバーセイ・ネバーアゲイン』(1983年)など、ジャンルを問わず世界的な名作の音楽を手がけた巨匠です。本作でのゴールドスミスのスコアは、サスペンスの緊迫感を支える質の高い仕上がりとなっています。

撮影はカナダで行われており、ボストンを舞台とした物語にもかかわらず、実際の撮影場所はカナダ国内の2か所がボストンとして代用されています。この撮影はAFI(アメリカ映画協会)カタログの資料によれば1987年10月までに完了しており、本作は翌1988年のトロント映画祭でプレミアを飾った後、アメリカ国内では1,160の劇場で公開されています。


評価:2人のスターの演技を評価しながらも脚本を批判する声

本作は批評的に賛否の分かれる評価を受けました。製作費約500万ドルに対し、米国での興行収入は約997万ドルを記録しており、興行的には製作費を上回る一定の成果を収めました。

最も有名な批評として、伝説的な映画評論家ロジャー・エバートによるシカゴ・サン・タイムズの評があります。エバートは「この映画で起きることはほとんど痛々しいほどで、最初は観客を引きつけ、次に魅了し、やがて不安にさせ、最終的に完全に失望させてしまう」と厳しく評しており、「本作は観客の共感を失う典型的な手法として映画学校で教えるべき教材だ」と書いています。また「脚本の複雑な展開が次第に崩れていく」という批判も多くあります。

一方で、ゲイリー・オールドマンとケヴィン・ベーコンそれぞれの演技については概ね高い評価を得ており、Apple TVでは「オールドマンは素晴らしい演技、ベーコンは興味深く曖昧な存在感を発揮」、マーティン・キャンベルの「スピード感のある演出」についても肯定的な評価がなされています。IMDbのユーザー評価は5.7点(10点満点)となっており、批評家評価より若干高い傾向が見られます。


まとめ:ゲイリー・オールドマンとケヴィン・ベーコンのキャリア初期を飾る法廷サスペンス

『クリミナル・ロウ』は、現在は世界的な名優として広く知られるゲイリー・オールドマンとケヴィン・ベーコンが、まだキャリアの上昇期にあった時期に共演した作品として、映画ファンにとって貴重な一本です。のちに『ゴールデンアイ』『カジノ・ロワイヤル』を監督することになるマーティン・キャンベルの初期の演出、そしてジェリー・ゴールドスミスによる格調あるスコアも見どころのひとつです。

守秘義務と正義という法曹倫理をめぐる葛藤というテーマは、現在も色あせることなく普遍的な問いとして機能しています。脚本の展開には賛否があるものの、2人の俳優の若き日の演技を観るだけでも十分に価値のある一本といえるでしょう。現在はDVDのほか、Apple TVをはじめとする各種動画配信サービスでも鑑賞可能です。


昔観た映画の話をもっと見る

購読すると最新の投稿がメールで送信されます。