【トゥルー・ロマンス(1993)】タランティーノ脚本×トニー・スコット監督!豪華キャスト共演のバイオレント・ロマンスを徹底解説

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※記事内の画像は全てイメージです。実際の製品・写真とは異なります。

1993年に公開されたアメリカ映画『トゥルー・ロマンス』(原題:True Romance)は、後に世界的な巨匠となるクエンティン・タランティーノが監督デビュー前に執筆した脚本を、『トップガン』のトニー・スコット監督が映画化したバイオレント・ロマンス映画です。主演はクリスチャン・スレイターとパトリシア・アークエット。共演にはデニス・ホッパー、ゲイリー・オールドマン、クリストファー・ウォーケン、ブラッド・ピット、ヴァル・キルマー、ジェームズ・ガンドルフィーニ、サミュエル・L・ジャクソンなど、後にいずれも映画史に名を刻む俳優たちが豪華に集結した一作です。公開当初は興行的に苦戦しましたが、タランティーノ特有の切れ味鋭い台詞と個性的なキャラクターたち、そしてトニー・スコット監督のスタイリッシュな映像が評価され、現在は1990年代クライム映画の傑作カルトとして再評価されています。本記事では作品概要・あらすじ・キャスト・制作背景・評価まで、公的情報をもとに詳しく解説いたします。


作品概要:基本情報

『トゥルー・ロマンス』(原題:True Romance)は、1993年にアメリカで製作・公開されたロマンティック・クライムドラマ映画です。

監督はトニー・スコット、脚本はクエンティン・タランティーノ、製作はサミュエル・ハディダ、スティーヴ・ペリー、ビル・アンガー、製作総指揮はジェームズ・G・ロビンソン、ゲイリー・バーバー、ボブ・ワインスタイン、ハーヴェイ・ワインスタイン、スタンリー・マルゴリスが担当。撮影はジェフリー・L・キンボール、音楽はハンス・ジマーが手がけています。配給はワーナー・ブラザースです。米国での公開日は1993年9月10日で、日本では1994年1月22日に初公開され、さらに2014年12月13日にデジタルリマスター版(ディレクターズカット版)がリバイバル上映されました。

項目内容
原題True Romance
製作年1993年
製作国アメリカ
監督トニー・スコット
脚本クエンティン・タランティーノ
音楽ハンス・ジマー
撮影ジェフリー・L・キンボール
製作費約1,250万ドル
上映時間120分(北米版)/121分(日本版ディレクターズカット)
配給ワーナー・ブラザース
日本配給パルコ、ビーズインターナショナル
米国公開1993年9月10日
日本初公開1994年1月22日
米国興行収入約1,200万ドル台
ロッテン・トマトーズ批評家支持率92%

脚本の誕生:タランティーノが「レザボア・ドッグス」のために売った処女脚本

本作を語る上で欠かせないのが、脚本の誕生経緯です。

クエンティン・タランティーノは映画監督を夢見ながらビデオレンタル店で働いていた時代に本作の脚本を書き上げました。しかし、ある事情から本作の脚本を売ることを決断します。その理由は自身の監督デビュー作となる『レザボア・ドッグス』(1992年)の制作資金を調達するためでした。タランティーノにとって泣く泣くの決断でしたが、これにより本作はタランティーノが脚本を書きながら自らは監督しなかった初の作品となりました。

脚本の内容にはタランティーノ自身が深く投影されています。コミックショップに勤める青年クラレンスが劇中で千葉真一さん主演の映画を鑑賞するシーンや、クラレンスの部屋に千葉さんの主演映画「カミカゼ野郎 真昼の決斗」「東京-ソウル-バンコック 実録麻薬地帯」のポスターが貼られているという設定は、カンフー映画やB級アクションに深い愛情を持つタランティーノ自身を投影したものとされています。


あらすじ:エルヴィスを愛する男とコールガールの破滅的な逃避行

舞台はデトロイト。コミックショップで働く青年クラレンス・ウォリー(クリスチャン・スレイター)は、エルヴィス・プレスリーを信奉し頭の中でエルヴィスのビジョン(ヴァル・キルマー)から助言を得るという少々風変わりな男でした。誕生日の夜、店長が差し向けたコールガールのアラバマ・ホイットマン(パトリシア・アークエット)と出会い、2人は瞬く間に恋に落ちて結婚します。

クラレンスはアラバマの元ヒモであるドレクセル・スパイビー(ゲイリー・オールドマン)に「話をつけに行く」と向かいますが、揉み合いの末にドレクセルを射殺してしまいます。しかも間違えて持ち帰ったスーツケースには、大量のコカインが詰まっていました。このコカインはマフィアのボス「ブルー・ルー・ボイル」がドレクセルに密売させていたものでした。

2人はコカインを売り捌いて新生活の資金にしようとロサンゼルスへ向かいます。道中、クラレンスの父でかつての警察官クリフォード(デニス・ホッパー)を頼りますが、マフィアの顧問ヴィンチェンツォ・コッコッティ(クリストファー・ウォーケン)がクリフォードに迫ります。コッコッティによる壮絶な尋問シーンは、本作屈指の名場面として今なお語り継がれています。

ロサンゼルスでは友人のディック(マイケル・ラパポート)とその同居人の天然すぎる男フロイド(ブラッド・ピット)に出会いながら、麻薬の取引をまとめようとします。しかしコッコッティの手下の追跡と警察の動きが迫り、ホテルでの取引は予想外の決戦へと発展していきます。


キャスト紹介:後にスターとなる豪華な顔ぶれ

クリスチャン・スレイター(クラレンス・ウォリー役)

エルヴィスを崇拝し、コミックとカンフー映画を愛する青年クラレンスを演じています。撮影中、共演者のパトリシア・アークエットと短期間交際していたとも伝えられています。

パトリシア・アークエット(アラバマ・ホイットマン役)

クラレンスの恋人であり妻となるコールガールのアラバマを演じています。マフィアの手下による暴力シーンでの激しい格闘演技は本作の見どころのひとつです。

ゲイリー・オールドマン(ドレクセル・スパイビー役)

白人でありながら黒人文化を身にまとったヒモのドレクセルという特異なキャラクターを怪演しています。強烈な個性と変わったエネルギーで強烈な印象を残します。

デニス・ホッパー(クリフォード・ウォリー役)

クラレンスの父で元警察官のクリフォードを演じています。クリストファー・ウォーケンとの一対一のシーンは本作最大の名場面として広く語り継がれており、「シシリア人の逸話」を中心とした台詞のやり取りは映画評論家の間でも絶賛されています。

クリストファー・ウォーケン(ヴィンチェンツォ・コッコッティ役)

マフィアのボスの顧問として登場し、デニス・ホッパーとの対決シーンで圧倒的な存在感を放ちます。このシーンではウォーケンとホッパーによる即興的な掛け合いも含まれていたとされています。

ブラッド・ピット(フロイド役)

ロサンゼルスでクラレンスたちを匿うディックのルームメイト、常にマリファナを吸い続ける天然の男フロイドを演じています。本作では出番こそ少ないながら、1990年代前半のブラッド・ピットの出演作として外せない一本です。

ヴァル・キルマー(エルヴィスの幻影役)

クラレンスの頭の中に現れ助言を与えるエルヴィス・プレスリーの幻影を演じています。ほぼカメオ出演に近い役ながら、映画全体の雰囲気を象徴するキャラクターです。

このほかジェームズ・ガンドルフィーニ(マフィアの手下ヴァージル役、後の「ザ・ソプラノズ」でトニー・ソプラノを演じる俳優)、サミュエル・L・ジャクソン、ソウル・ルビネック、ブロンソン・ピンチョット、マイケル・ラパポート、クリス・ペン、トム・サイズモア、マイケル・ビーチらが脇を固めています。


制作背景:エンディング変更をめぐるタランティーノとスレイターの攻防

本作の制作において最もよく知られているエピソードが、エンディングをめぐる一幕です。

タランティーノの原作脚本では、クラレンスはエンディングで死亡するというバッドエンドが書かれていました。しかし監督のトニー・スコットはどうしてもハッピーエンドで終わりたかったため、クラレンスが生き延びるエンディングに変更しました。これに対してタランティーノは強く反発し、脚本の権利を返還させようとしたといいます。しかし撮影はすでに始まっており、変更すれば多大な損失が生じる状況でした。そこで主役のクリスチャン・スレイターがタランティーノに直接かけ合い「頼む、クエンティン。クラレンスを殺さないでくれ」と説得したことで、タランティーノは渋々ながら了承したとされています。

また当初のタランティーノの構想では、クラレンスが死んで未亡人となったアラバマが、後の映画『レザボア・ドッグス』のホワイトと組んで悪事を働くというシリーズとしての連続性も考えられていたとされています。

音楽を担当したハンス・ジマーは、本作でクラシックギターを中心とした甘くポップなスコアを提供しており、暴力的な場面との対比が独特の魅力を生み出しています。


評価と位置づけ:カルト映画として再評価が進む一作

本作の米国での公開はオープニング週末に約400万ドルという興行収入に終わり(当週3位)、製作費約1,250万ドルに対して最終的な米国興行収入は約1,200万ドル台と、公開当初は興行的な成功とはいえませんでした。

しかし批評面では概ね好意的な評価を受けています。伝説的な映画評論家ロジャー・エバートは「映画のエネルギーとスタイルは高揚感を与える」と評し4点満点中3点を付けました。ニューヨーク・タイムズのジャネット・マスリンは「活力に満ちた、血にまみれた、道徳を顧みないロードムービー」と表現し、ロッテン・トマトーズでは批評家支持率92%を獲得しています。

Empire誌は2017年に「史上最高の映画83位」に選出しており、「コカイン風味のバブルガムのような、明るく風味豊かな作品に麻薬的に暴力的なキックが加わっている」と評価しています。興行的な失敗にもかかわらず、ビデオ・DVDでの鑑賞が広まるにつれてカルト的な評価を獲得し、現在では1990年代クライム映画の傑作として広く認知されています。


まとめ:タランティーノとスコットの才能が奇跡的に融合した永遠のカルト・クラシック

『トゥルー・ロマンス』は、タランティーノの切れ味鋭い脚本とトニー・スコットのスタイリッシュな映像演出が奇跡的に融合した、唯一無二のバイオレント・ロマンスです。デニス・ホッパーとクリストファー・ウォーケンによる伝説的な尋問シーン、ゲイリー・オールドマンの怪演、ブラッド・ピットの天然っぽいエピソードなど、語り草となる場面が随所に散りばめられています。

公開当時は興行的に苦戦したものの、30年以上が経過した現在もその魅力は色あせることなく、映画ファンの間で語り継がれ続けています。各種動画配信サービスでも鑑賞できますので、まだご覧になっていない方にはぜひおすすめしたい一本です。


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