【レイン・フォール/雨の牙(2009)】椎名桔平×ゲイリー・オールドマン×長谷川京子!東京を舞台にした日英合作スパイ・サスペンスを徹底解説

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※記事内の画像は全てイメージです。実際の製品・写真とは異なります。

2009年に公開された映画『レイン・フォール/雨の牙』は、アメリカのハードボイルド作家バリー・アイスラーのベストセラー小説『雨の牙』を映画化した日英合作のクライム・サスペンスです。主演はTVドラマ・映画で幅広く活躍する椎名桔平さん、ヒロインに長谷川京子さん、悪役CIAアジア局長にゲイリー・オールドマン、さらに柄本明さんらが共演しています。監督・脚本を担当したのは、黒沢清監督の映画『トウキョウソナタ』の脚本を手がけたオーストラリア出身の新鋭マックス・マニックス。音楽は映画『機動警察パトレイバー』などで知られる川井憲次さんが担当しています。東京の都市風景を舞台に、日本人・オーストラリア・イギリスのスタッフ・キャストが一体となって作り上げたユニークな作品の全貌を、公的情報をもとに詳しく解説いたします。


作品概要:基本情報

『レイン・フォール/雨の牙』(原題:Rain Fall)は、2009年4月25日に日本で公開された日本映画です。オーストラリア人スタッフと日本人スタッフが共同で制作にあたった国際共同製作作品であり、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントが配給を担当しました。

監督・脚本はマックス・マニックス、原作はバリー・アイスラーの小説『雨の牙』、撮影はジャック・ワーレハム、美術は山崎秀満さん、音楽は川井憲次さんが担当しています。なお本作には完成保険がかけられていました。

項目内容
邦題レイン・フォール/雨の牙
原題Rain Fall
製作年2009年
製作国日本(日英合作)
監督・脚本マックス・マニックス
原作バリー・アイスラー『雨の牙』
撮影ジャック・ワーレハム
美術山崎秀満
音楽川井憲次
上映時間111分
配給ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公開日2009年4月25日

原作について:バリー・アイスラーの世界的ベストセラー小説

本作の原作は、アメリカの作家バリー・アイスラーが2002年に発表した小説『雨の牙(Rain)』です。アイスラーはCIAのディレクタレート・オブ・オペレーションズ(作戦局)に勤務した経験を持つ人物で、その体験をもとに書かれた本作は出版されるとたちまちベストセラーとなり、日本でも翻訳出版されて人気を集めました。

主人公のジョン・レインは日本人の父とアメリカ人の母を持つ日系アメリカ人の暗殺者という設定で、東京を主な活動の場とし、自然死に見せかけた殺人を得意とする凄腕の殺し屋として描かれています。「女と子どもは殺さない」という独自のルールを守り、依頼を選ぶ孤高のアンチヒーロー像が大きな魅力となっています。

アイスラーの「ジョン・レインシリーズ」はその後も複数の続編が執筆されており、日本を舞台にした本格的なスパイ・サスペンス小説として国際的な読者を獲得しています。


あらすじ:監視社会の東京で追い詰められる殺し屋

朝の混雑する山手線の車内で、国土交通省の高級官僚・川村安弘(中原丈雄さん)が突然倒れ、搬送先の病院で死亡します。警察は持病の心臓発作と判断しますが、実際は日系アメリカ人の暗殺者ジョン・レイン(椎名桔平さん)が自然死に見せかけて殺したものでした。これまで政財界や裏社会の重要人物を完璧に抹殺してきたレインにとって、これは通常の仕事のひとつにすぎないはずでした。

ところが川村が所持していたメモリースティックが現場で消えていることが発覚します。クライアントは次にレインに対し、川村の娘たちを始末するよう命じます。「女と子どもは殺さない」という自身のルールを曲げないレインは依頼を拒否しますが、直後に川村の長女・奈緒子が何者かに殺されてしまいます。

レインは次女でジャズピアニストの川村みどり(長谷川京子さん)を守ろうと動き始めます。父の仕事仲間で謎めいた協力者のタツ(柄本明さん)の助けを借りながら、レインとみどりは東京の街を逃亡します。しかし東京には何万台もの監視カメラが設置されており、二人の行動は着実に追跡されていきます。

一方、CIAアジア局長のウィリアム・ホルツァー(ゲイリー・オールドマン)は部下のトーマス・ペイン(ダーク・ハンター)を動かし、レインと消えたメモリースティックを追い続けます。メモリースティックに隠された国家的な陰謀の全貌が明らかになるにつれ、レインは自分自身の過去とも向き合うことになります。


キャスト紹介:日本とイギリスの演技派が集結

椎名桔平さん(ジョン・レイン役)

本作の主人公で、日系アメリカ人の暗殺者を演じています。アクションシーンだけでなく、言葉少なながら内面の葛藤を滲ませる演技が求められる難役に挑みました。クールで無口なプロフェッショナルでありながら、みどりへの感情が芽生えていく様子を抑えた演技で表現しています。

長谷川京子さん(川村みどり役)

殺された父の秘密に巻き込まれていく、ジャズピアニストの女性みどりを演じています。突然巻き込まれた危機の中でレインへの信頼と警戒心の間で揺れる役柄を体現しています。

ゲイリー・オールドマン(ウィリアム・ホルツァー役)

レインを執拗に追い詰めるCIAアジア局長を演じています。日本語版の吹替は安原義人さんが担当。焦りを露わにしながら部下に指示を飛ばす姿は、これまでのオールドマンのキャリアでも際立つ「焦燥する悪役」として印象に残ります。

柄本明さん(タツ役)

レインの協力者で、謎めいた人物タツを演じています。作品のキーパーソンのひとりとして、重要な情報と助けをレインにもたらします。

ダーク・ハンター(トーマス・ペイン役)

ホルツァーの部下で実行部隊を率いるCIA工作員を演じています。日本語版の吹替は伊藤和晃さんが担当。

清水美沙さん(優子役)

レインと関係する人物を演じています。

このほか、中原丈雄さん、若松武史さん、小木茂光さん、浜田晃さんらが脇を固めています。


制作背景:オーストラリア人監督が描いた「監視社会・東京」

本作の監督マックス・マニックスはオーストラリア出身の新鋭映画監督・脚本家で、黒沢清監督の映画『トウキョウソナタ』(2008年)の脚本を手がけたことでも知られています。外国人の視点から東京という都市を描いていることが本作のひとつの特色で、監視カメラが張り巡らされた現代都市としての東京を物語の重要な要素として機能させています。

製作はオーストラリア人スタッフと日本人スタッフが共同で担当し、音楽には日本を代表するアニメ・映画音楽作曲家の川井憲次さんが起用されました。東京各地でのロケ撮影が実施されており、実際の都市空間を生かした映像が本作の世界観を形作っています。

ゲイリー・オールドマンの出演は本作の最大の話題のひとつでしたが、劇中でのオールドマンの役どころはあくまで悪役の黒幕という位置づけであり、椎名桔平さんとの直接的な対決シーンは少なめに設計されています。

原作者のバリー・アイスラーは、「映画化に際してジェット・リーよりも椎名桔平さんのキャスティングを好んだ」とも伝えられており、椎名桔平さんのキャスティングへの満足感を示していました。


評価

本作は批評・興行の両面において苦戦を強いられた作品です。Filmarksでは平均スコア2.4点(5点満点)という低い評価が並んでおり、「ゲイリー・オールドマンが怒鳴ってばかり」「展開の意味がわかりにくい」「スパイアクションとしてのスリルが少ない」などの批判的なコメントが多く見られます。

一方で、監視カメラが普及した現代社会をテーマに絡めた着眼点や、川井憲次さんの音楽、そして椎名桔平さんのクールな佇まいについては一定の評価があります。また、アメリカ発のベストセラー小説を日本人俳優が主演し、日本でロケして作り上げたという製作スタイル自体の珍しさは、今でも語り草となっています。


まとめ:日本を舞台にした珍しい日英合作スパイ・サスペンス

『レイン・フォール/雨の牙』は、アメリカのベストセラー小説を原作に、東京を舞台として日英の演技派俳優が集結した珍しい国際共同製作スパイ映画です。ゲイリー・オールドマンの出演や、椎名桔平さん・長谷川京子さんという人気日本人俳優のキャスティング、川井憲次さんによる音楽など、見どころの多い布陣を揃えながらも、完成作への評価は厳しいものとなりました。

それでも、バリー・アイスラーの「ジョン・レインシリーズ」ファンにとっては原作小説と見比べる楽しみがあり、また現代東京の都市空間を舞台にしたスパイ映画という珍しい一本として、独特の存在感を持ち続けています。現在はBlu-ray・DVDのほか、各種動画配信サービスでも鑑賞可能です。


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