『ミッドナイト・ラン』(1988年)完全ガイド|デ・ニーロとグローディンが生んだ名バディコメディの魅力

スポンサーリンク
スポンサーリンク
映画
スポンサーリンク

「懐かしの名作を今すぐチェック!」 ▼

映画、TV番組、ライブTV、スポーツを観る【Amazon Prime Video】

※記事内の画像は全てイメージです。実際の製品・写真とは異なります。

1988年に公開された『ミッドナイト・ラン』は、ロバート・デ・ニーロとチャールズ・グローディンという異色の二人が繰り広げるアクションコメディです。荒くれ者のバウンティハンターと訳ありの会計士、性格の異なる二人が織りなす掛け合いは、公開から30年以上経った今も色褪せず語り継がれています。この記事では、あらすじやネタバレには極力触れず、公的な資料をもとに監督やキャスト、制作の裏側、音楽、興行成績、日本での評価などを整理してご紹介します。

1.基本情報|監督・キャスト・公開日

『ミッドナイト・ラン』はマーティン・ブレストが監督を務めたアメリカ合衆国のアクションコメディ映画で、脚本はジョージ・ギャロが手がけました。主演はロバート・デ・ニーロとチャールズ・グローディン、共演にヤフェット・コットー、ジョン・アシュトン、デニス・ファリーナ、ジョー・パントリアーノが名を連ねています。アメリカ本国では1988年7月20日にユニバーサル・ピクチャーズによって公開され、日本では同年12月10日に公開されました。上映時間は126分、ジャンルはアクション・コメディに分類されています。ブレストは本作の以前に『ビバリーヒルズ・コップ』(1984年)を手がけており、コメディとアクションを融合させる作風は本作にも受け継がれています。製作会社はシティ・ライト・フィルムズで、原案・脚本はジョージ・ギャロが単独で温めてきた企画をブレストとともに練り上げたものです。

2.奇跡のキャスティング秘話

当初、本作の製作権を持っていたのはパラマウント・ピクチャーズでした。ロバート・デ・ニーロの出演が先に決まっていたため、相手役の選考が難航したとブレストは振り返っています。パラマウントは女性キャラクターへの変更やシェールの起用、ロビン・ウィリアムズやブルース・ウィリスといった候補も検討しましたが、ブレストはチャールズ・グローディンとのオーディションで二人の間に確かな化学反応を感じ、グローディンの起用を推し進めました。結果として商業的成功を懸念したパラマウントが降板し、製作はユニバーサル・ピクチャーズへと移行しています。デ・ニーロの商売敵役を演じたジョン・アシュトンも、オーディションでのデ・ニーロとの即興演技が評価されて出演が決まったというエピソードが残っています。脚本のジョージ・ギャロは、主人公二人の掛け合いのモデルを自身の両親から得たと明かしています。感情的だった父親と、計算高く父親を巧みに操っていた母親の姿が、劇中の二人の関係性の土台になったといいます。ギャロはブレストについて「彼が物語の軸をぶれさせずにまとめてくれた」と振り返っており、脚本家と監督の信頼関係が本作の完成度を支えていたことがうかがえます。

3.リアリティを追求した撮影の裏側

デ・ニーロは役作りのため、実際のバウンティハンターや警察官と行動を共にし、張り込みなどの現場に立ち会ったとされています。いわゆる「デ・ニーロ・アプローチ」と呼ばれる取り組み方です。また、撮影中ずっと手錠をかけられていたグローディンには、実際に消えない手錠の痕が残ったというエピソードも知られています。マフィアのボス、ジミー・セラノを演じたデニス・ファリーナは別作品の撮影と掛け持ちだったため、彼の出演シーンはすべてラスベガスで撮影されました。なお、ファリーナ自身はもともとシカゴ警察の警察官から俳優に転身したという経歴の持ち主です。撮影はニューヨークやロサンゼルス、アリゾナ州など複数の場所で行われ、一部シーンはニュージーランドでも撮影されています。

4.ダニー・エルフマンが手がけた音楽の魅力

本作の音楽を担当したのは、作曲家ダニー・エルフマンです。サウンドトラックはMCAレコードからリリースされ、テンポの良いスコアが物語のロードムービー的な疾走感を支えています。エンドロールで流れる楽曲「Try to Believe」はエルフマン自身がボーカルを担当したバージョンも存在し、彼が在籍していたバンド、Oingo Boingoのアルバムにも別バージョンが収録されています。このサウンドトラックCDは流通枚数が少なく、長らく入手困難な作品として知られていました。

5.興行成績と批評家からの評価

『ミッドナイト・ラン』は全米1,158館で公開され、初週末に550万ドルを記録しました。最終的に北米で3,840万ドル、北米以外で4,320万ドル、全世界興収は8,160万ドルに達しています。批評家からの評価も高く、Rotten Tomatoesでは58件のレビュー中95%が肯定的で、平均点は10点満点中8.00点。Metacriticでも16件の批評をもとに100点満点中78点という「概ね好評」の評価を得ています。観客調査を行うCinemaScoreでも最高評価に近い「A」評価を獲得しました。映画評論家のロジャー・イーバートは4つ星中3.5つ星をつけ、コミカルなスリラーの構造の中で成し遂げられた二人の関係性の描写を高く評価しています。また、第46回ゴールデングローブ賞では、ミュージカル・コメディ部門の作品賞と主演男優賞(デ・ニーロ)にノミネートされました。ユニバーサル・ピクチャーズは公開にあたり、新聞広告やテレビCMなどの宣伝活動に多額の予算を投じたと伝えられています。公開から30年を迎えた際には、ローリング・ストーン誌の映画評論家アラン・セピンウォールが本作を「自分にとって最高の一本」として改めて取り上げ、時を経てもなお色褪せない魅力を再評価する声が上がりました。

6.著名人たちに愛される一本

本作は多くの映画人やクリエイターから支持を集めてきました。レオナルド・ディカプリオは13歳のとき父親と一緒に本作を観たことが、初めて意識してデ・ニーロの演技に触れた体験だったと語っています。また、香港を代表するアクションスターのジャッキー・チェンは、自身が選ぶオールタイムベスト映画の一本として本作を挙げています。日本でも、俳優の松田優作さんが本作を鑑賞した際に涙が止まらなかったと語ったというエピソードが知られており、世代や国境を越えて愛されてきた作品であることがうかがえます。デ・ニーロ自身も、数あるフィルモグラフィーの中で本作を「一番好きな作品」として挙げたことがあるインタビューが残っています。

7.伝説と呼ばれる日本語吹き替え版

日本のファンの間では、テレビ朝日系列で放送された日本語吹き替え版が特に高く評価されています。チャールズ・グローディンの声を担当した羽佐間道夫さんの起用は、当初検討されていたキャスティングから変更された経緯があったといい、この配役が視聴者から絶大な支持を集めました。一時は音源紛失により再放送の機会が限られていましたが、視聴者から当時の録画を公募して音源を復刻し、カットされていたシーンを追加収録した「地上波吹替追録版」が2018年に放送されています。この吹き替え版は、吹き替え映画史に残る名演として今なお語り継がれています。

8.続編・スピンオフのその後

1994年には、本作を基にした3本のテレビ映画が制作されています。ジャック・ウォルシュ役はクリストファー・マクドナルドが演じるなど、キャラクター設定は引き継がれたものの、出演俳優は劇場版とは異なるキャストとなりました。さらに2021年には、レジーナ・ホールを主演に迎えた続編がユニバーサル・ピクチャーズで開発中であることが発表され、デ・ニーロもプロデューサーとして名を連ねています。長年愛され続けてきた本作が、形を変えて新たな形でも展開されようとしていることは、多くのファンにとって注目のニュースといえるでしょう。

9.まとめ

『ミッドナイト・ラン』は、対照的な性格を持つ二人の男が繰り広げる掛け合いと、それを支えるキャスト・スタッフの熱量が高く評価されてきた作品です。マーティン・ブレストの演出、ジョージ・ギャロの脚本、そしてロバート・デ・ニーロとチャールズ・グローディンの名演が三位一体となり、公開から長い年月が経った今でも「バディムービーの傑作」として語り継がれています。まだ本編を観たことがない方はもちろん、久しぶりに見返したいという方にも、あらためておすすめしたい一本です。


昔観た映画の話をもっと見る

購読すると最新の投稿がメールで送信されます。